スウェーデンとの欧州予選プレーオフに敗れたイタリアは、60年ぶりにワールドカップに出場できないことが決まった。カルチョの国の多くの人たちにとっては、４年に一度開催される世界的なお祭りで自分たちの代表チームを応援できない、初めての夏となる。

　当然、ショックを受けているファンは多い。現地時間11月17日にイタリア紙『コッリエレ・デッロ・スポルト』が報じた1000人を対象とした世論調査の結果によると、「予選敗退のニュースになにを感じたか」との問いに、34％が「イタリア不在のワールドカップなど信じられず悲しい」と回答。17％は「もっとやれたはずだ、腹立たしい」と答えた。

　その一方で、「無関心」と「予想通り」がそれぞれ20％を占めており、アッズーリ（イタリア代表の愛称）に対する興味そのものが薄れつつあることも同時にわかっている。また、残りの９％は「イタリアのサッカーを改善すべき対応策が講じられるため楽観的」と、カルチョの問題を解決するきっかけにすべきと主張した。

　意外だったのは、「敗因はどこにあったか？」についての回答。36％ともっとも多かったのは、監督でもサッカー連盟でもなく、「ハイレベルな選手を育ててこなかった各クラブの下部組織の怠慢」だったのだ。先日解任されたジャン・ピエロ・ヴェントゥーラ監督を敗因に挙げたのは、全体の16％だけだった。

　そのヴェントゥーラ監督を任命したサッカー連盟のカルロ・タベッキオ会長を戦犯としたのは、監督より少し多くて21％。「本来の力を発揮できなかった選手たち」は７％だった。また３％だけとはいえ、「単なる不運、イタリアはW杯出場に値した」と答えた人もいる（残りの17％は「わからない」と回答）。

　また、来年のロシア・ワールドカップに対するイタリア国民の関心が、著しく失われてしまったことを示すのが、「ロシア大会でどのチームを応援しますか？」という質問への回答。過半数の53％が「どのチームも応援しない」と答えているのだ。

　とはいえ、少数ながらアッズーリ不在でも特定のチームを応援すると答えているファンはおり、ブラジル、スペイン（ともに７％）、アイスランド（６％）、アルゼンチン（５％）。ドイツ（４％）、スイス（３％）、フランス、ポルトガル（ともに２％）といったところが挙がっている（11％は「その他」と回答）。

　いずれにしても、ライバルたちが世界王者の座を競う大舞台への準備を進めていく中で、イタリアは再出発を求められる。その第一歩は、ヴェントゥーラの後を継ぐ新指揮官の任命だ。

　タベッキオ会長はビッグネームの招聘を示唆しているが、世論調査で一番人気だったのは、前バイエルン・ミュンヘン監督で現在はフリーのカルロ・アンチェロッティ（23％）。EURO2016でベスト８と健闘したアントニオ・コンテ（現チェルシー）は21％で２位だった。

　この“２トップ”に続くのが、ユベントスを３年連続の２冠に導いたマッシミリアーノ・アッレグリで７％。インテル・ミラノのルチアーノ・スパレッティとゼニトのロベルト・マンチーニはともに４％だった。また、「その他」を選択したのは７％で、「わからない」が34％だった。

　これはあくまでも世論調査の結果ではあるが、イタリア国民の声を示すひとつの指標でもある。カルチョに携わる関係者たちは、どのように受け止めたのだろうか。