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【小宮良之の日本サッカー兵法書】“振り子を振り切った”ハリルジャパンへの消えない大きな疑問…

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年10月20日

アルジェリアに対しては良かったが…

ニュージーランド戦、ハイチ戦は、チームの熟成を図る段階に入った日本代表、そしてハリルホジッチ監督にとってどのような意味を持つ試合だったのか!? 写真はハイチ戦。 写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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「(昨年の)オーストラリア、サウジアラビア戦では、高いレベルでできるということを証明した。しかし現状では、ワールドカップでは通用しない。これから選手と対話し、修正、向上できると信じている」
 
 10月6日に行なわれたニュージーランド戦の後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はロシアW杯に向けた展望を語っている。
 
 では、ハリルジャパンはこれから進化を遂げ、W杯で世界の強豪と渡り合えるのだろうか?
 
 たびたび指摘していることだが、ハリルホジッチ監督が指標とするオーストラリア、サウジ戦での日本代表のプレーは、戦術的に高い水準にあった。プレッシングとリトリートの併用を、ボランチの長谷部誠を中心にやってのけ、鋭いカウンターを繰り出している。とりわけオーストラリアとの前半は、完璧に近い内容だった。
 
「リアクション戦術は、強い相手に対して有効な戦い方」
 
 代表関係者からは、強い自信が滲み出てくる。敵にボールを持たせながら、出所を潰し、囲い込み、奪い取ってカウンターを食らわせる。「後の先を取る」戦い方は、実力差を考えた場合、ロジカルな判断だろう。
 
 しかし、この2試合にしても、90分間を通して戦術が機能したわけではない。オーストラリア戦は後半になってリズムが落ち、綻びが出た。サウジ戦は試合の入り方が悪く、前半は低調だった。
 
 W杯本大会では、こうした乱れを見逃さない強豪が相手になる。ハリルホジッチ監督はそれも見越して、「W杯では通用しない」としているのだろう。戦術的な修正、向上が急がれる。
 
 その一方で、果たしてハリルジャパンの戦い方が進化を遂げ、世界で戦えるほどのものになるのか? という小さくない疑問は残り続ける。
 
 ハリルホジッチ監督は、徹底したリアクションの守備戦術からカウンターで相手を仕留める、という戦い方に執着している。ブラジルW杯ではアルジェリアを率い、卓越した激しい守備からのカウンター戦法で、一定の成果(ベスト16)を上げた。
 
 しかし日本人選手の特性は、アルジェリア人とは大きく異なる。日本人はアルジェリア人のようなフィジカルの強さや激しさには欠けるものの、クイックネスとテクニック、そしてコンビネーション能力には恵まれている。
 
 前者はカウンターに向いているが、果たして後者は? という疑いは消えない……。
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