7月19日、U-23アジア選手権予選が開幕した。東京五輪を見据えて大会規定より2歳年少となるU-20世代のチームで参戦している日本は、初戦でフィリピンと対戦。8-0の大差で圧勝を収め、白星スタートとなった。
この試合、日本のスターティングメンバーは代表経験の浅い選手たちが多くを占める形となった。今大会は中1日の3連戦というハードスケジュールとなるため、セオリー通りにいくならば、「Aチーム→Bチーム→Aチーム」という形でターンオーバーしたいところ。ただ、対戦順はグループ最弱と見込まれるフィリピンが初戦の相手で、「恐らく最強」(内山監督)という中国が最終戦、難しい試合になることが確実の開催国カンボジアとの試合が第2戦という流れである。
「初代表という選手ばかりで、いきなり完全にアウェーの試合となると難しい」(内山監督)のは当然で、第2戦にBチームへターンオーバーという策は使えない。そこで内山監督が描いた3試合のイメージは恐らく「B+Aチーム→A´チーム→Aチーム」という流れだと思われる。
つまり、最も力が劣ると観られるフィリピンとの初戦には、DF藤谷壮(神戸)、MF原輝綺(新潟)、三好康児(川崎)のようなU-20ワールドカップ先発クラスの選手を少し混ぜた形でスタート。開催国相手で難しくなりそうな第2戦では準ベストのような布陣を組みつつ、最後の中国戦には2試合トータルを踏まえた完全なベスト布陣を組むというものである。2位になった場合は他グループとの得失点差勝負になるレギュレーションのため、できればフィリピン相手に得失点差も稼ぎたいというジレンマもあるのだが、ここはあえて初代表の選手も覚悟をもって送り出す形となった。
ここでフィリピン相手に経験のない選手たちがやらかしてしまうようだと内山プランは絵に描いた餅になるところだったが、幸いにもニューフェイスたちはたくましかった。
「緊張はまったくしなかった。『やってやろう』という気持ちのほうが大きかった」(FW小松蓮/産業能率大)