英紙の「スクープ」から読み解く、チェルシーの重鎮外しと3バック導入の背景

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2016年11月13日

コンテが導入に踏み切った3バックがチェルシーの躍進を生み出す。

コンテは7節のハル戦からユベントスとイタリア代表で好んでいた3バックを採用している。 (C) Getty Images

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 アントニオ・コンテ新監督が率いるチェルシーの躍進が目覚ましい。
 
 10月1日のプレミアリーグ第7節ハル戦から先週末(11月2日)の第11節エバートン戦まで5連勝。しかもマンチェスター・U(9節)に4-0、エバートンに5-0(11節)という完勝を含めて、5試合で16得点・0失点という圧倒的な強さを見せつけている。
 
 そのキッカケとなったのが、9月後半にリバプールとアーセナルという覇権を争うライバルとの直接対決に連敗した後にコンテが踏み切った、4バック(4-1-4-1)から3バック(3-4-2-1)へのシステム変更だ。
 
 ハル戦からそれまで主力として起用してきたブラニスラフ・イバノビッチ、オスカール、ウィリアンをベンチに追いやり、出番の少なかったヴィクター・モーゼス、マルコス・アロンソ、ペドロ・ロドリゲスをレギュラーに抜擢するというこの荒療治の背景には何があったのか――。
 
 アーセナル戦とハル戦の間に起こったひとつのエピソードは、それを推測する上で非常に興味深い材料と言える。
 
 どんな監督にとっても、新しく着任したチームにおいて、自らのサッカー哲学、トレーニングメソッド、チームマネジメントの手法など自らのやり方を選手たちが納得して受け入れる状況を作れるかどうか、もっと端的に言えばチームを掌握できるかどうかは、大きなハードルになるものだ。
 
 チェルシーの場合、昨シーズンにジョゼ・モウリーニョという百戦錬磨の名監督が途中解任の憂き目に遭った背景にはチームとの対立があった、とまことしやかに語られていただけに、コンテがチームとの関係をどのように築くのか、チームが結束して新監督のやり方を受け入れるかどうかは、密かに注目されていたポイントだった。
 
 ピッチ上で結果が出ている限り、チームマネジメント上の問題が起こることはないというのはあらゆるチームに共通して言えること。監督のチーム掌握度、チームの結束度が試されるのは、結果がついてこなくなった時である。
 
 コンテとチェルシーがそのハードルに直面したのが、リバプールとアーセナルに連敗した9月末のことだった。
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