英紙の「スクープ」から読み解く、チェルシーの重鎮外しと3バック導入の背景

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2016年11月13日

英高級紙がスクープしたコンテとオーナーの秘密のミーティングランチとは?

コンテと練習場で会談したアブラモビッチ・オーナー。その内容を英高級紙がスクープした。 (C) Getty Images

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 この連敗でチェルシーの順位は8位まで降下、首位マンチェスター・Cとの勝点差が8まで開いたこともあって、マスコミでは一斉に解任説が取り沙汰され、ブックメーカーは「コンテ早期解任」のオッズを一気に引き下げて、ますますその空気を煽り立てた。
 
 その後の結果(5連勝)を見れば、コンテがこの困難を乗り越えてチームをしっかりと掌握したことは明らかだが、その間にはこんなことも起こっていた。
 
 アーセナル戦から4日後の9月29日木曜日、英国の高級紙『ザ・タイムズ』が「コンテがチェルシーのチーム刷新を要求」というスクープ記事を掲載し、大きな話題を集める。
 
 連敗をきっかけに広がりつつあった解任説を真っ向から否定することになったこの記事(国内外の他メディアがこぞってその内容を取り上げた単独スクープだった)には、以下のようないくつか興味深いポイントが含まれていた。
 
・コンテとオーナーのロマン・アブラモビッチが、コブハム(ロンドン)にあるトレーニングセンターで月曜から水曜まで3日続けて昼食を共にして、チームの現状と今後について話し合う。不振の主な原因は、2年前にモウリーニョ前監督の下でリーグ優勝を勝ち取った主力メンバーの衰えにあるという点で意見が一致した。
 
・コンテは、ロッカールーム内の問題は昨シーズンの不振をもたらしたモウリーニョとチームの対立よるものが根深く、このクラブの「プレーヤー・パワー」カルチャー(選手の発言力・影響力が強い文化、と意訳できるだろうか)を作り上げてきた古株たちが、変革を妨げていると考えている。
 
・アブラモビッチ・オーナーも、今夏の補強で自らの要望にほとんど応じなかったクラブに対するコンテの不満、チームを「オーバーホール(分解)」する必要性についての訴えに理解を示し、解任どころかむしろ、コンテがチームを抜本的に刷新してスタンフォード・ブリッジに新時代を築くことを期待している。
 
・今後放出される「リスク」がある選手としては、イバノビッチ、セスク・ファブレガス、オスカール、ガリー・ケイヒル、ネマニャ・マティッチ、ジョン・テリー、セサル・アスピリクエタ、ジエゴ・コスタの名前が挙げられる。
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