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貫禄すら──。香港戦でW杯のメンバー入りに近づいたのは西村でも、相馬でも、町野でもなく…【コラム】

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2022年07月20日

あそこから最高のボールを入れた技術とインテリジェンス

安定したプレーで存在感を示した山根。相馬のゴールにつながったクロスは秀逸だった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 寄せのスピードもマークも緩かった香港から6ゴールを奪取。E-1選手権の初戦は日本の圧勝に終わった。ともに2ゴールを決めた相馬と西村と町野、中盤で存在感を示した藤田の活躍は目を引いたが、どうしても「相手が香港だったから」という印象が残る。もちろん結果を残した点にケチをつけるつもりはないが、香港戦で躍動した彼らが9月の代表戦にも呼ばれるかと言えば現時点で大きく頷けないというのが素直な感想だ。

 今回のE-1選手権で爪痕を残し、ワールドカップのメンバーに滑り込めるか。いわゆるアピール合戦が今大会における日本の最大の見どころだ。しかし、ここでアピールできたところで今後のメンバー選考にどこまで影響を与えられるか。少なくとも、香港戦の活躍だけで「彼をワールドカップのメンバーに!」なんて評価には絶対にならない。

 個人的には、コンスタントな活躍こそがワールドカップのメンバー入りへのキーワードと見ている。例えば6月に初招集されたDF伊藤はA代表デビュー戦となったパラグアイ戦(22年6月2日)で好パフォーマンスを披露すると、同10日のガーナ戦、同14日のチュニジア戦にもフルタイム出場。ミスもあったとはいえ、十分に戦えることを証明してワールドカップのメンバー入りに一歩前進した印象だった。

 その伊藤と、明らかに格下だった香港戦で活躍した相馬、西村らをアピール度で比べるのはナンセンスだろう。ひとつ確かなのは、このE-1選手権を“スタートライン”にワールドカップのメンバーに食い込むのは至難の業ということだ。カタール・ワールドカップの開幕まで残り約4か月、森保監督の頭の中でメンバーの大半は決まっているだろうし、そうでないとおかしい。だからこそ、香港戦で活躍したところで、となる。
 

 それでもあえてワールドカップのメンバー入りに近づいた選手をひとり挙げるなら、右サイドバックの山根。町野のヘッド弾に繋げたクロス以上に、相馬のゴールを呼び込んだグラウンダーのパスが秀逸だった。ゴール前の混戦状態で「そこに蹴れば何かが起こる」というコースに最高のボールを入れた技術とインテリジェンスには脱帽。淡々と質の高い仕事をこなすプレーぶりは貫禄すらあったし、さすが今回のワールドカップ最終予選を経験しただけのことはあると感じた。

 普段の代表メンバーではなく(谷口は除く)、即席のチームでも安定して力を発揮できる山根は、続く中国戦、韓国戦でも躍動できれば、9月も間違いなく代表メンバーに選ばれる。ここまでの代表活動での積み上げで判断すれば、そういう結論に行き着く。香港戦での2ゴールはもちろん立派だが、相馬、西村、町野と、山根を同列には語ることはできない。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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