陰のMVPはアンカーの阿部ちゃん。カメルーン戦は自己犠牲の精神を持つことの大切さを教えてくれた。
カメルーン撃破によって、チームの風向きは180度変わりました。2戦目のオランダには0対1で敗れたものの、好ゲームを演じました。3戦目のデンマークには3対1で快勝し、目標のグループリーグ突破を果たしました。最終的に決勝トーナメント1回戦で、パラグアイにPK戦の末に負けたものの、本大会に入ってからの日本のパフォーマンスは、まさに躍動していたと思います。
大会を通して、圭佑が4試合中3試合でFIFAが選ぶマン・オブ・ザ・マッチに輝きました。カメルーン撃破のゴールをはじめ、1トップというポジションながら、彼の活躍は本当に素晴らしいものでした。その圭佑の1トップ起用とともに、個人的にベンチから見ていて、チーム戦術として成功したと思ったのは、阿部ちゃんのアンカー起用です。
彼がアンカーに入ったのはイングランド戦からでしたが、それ以降、チームの安定感が見違えるように増しました。要するに、チームが落ち着いてきたのです。ハードワークができるし、対人にも強いし、ボールを持ててビルドアップもできる。そのうえキャプテンシーもある。どうしてこれまでレギュラーではなかったのか、と思うほど、まさにチームの躍進に欠かせない“黒子”として、彼の存在感は絶大でした。圭佑が表のMVPならば、阿部ちゃんは裏のMVPといったところでしょう。
このように、ピッチの上で戦った選手たちが最大の殊勲者であることは間違いありませんが、チームが勝つことによって、僕たちサブメンバーの人間も、チームの一員として貢献できたことが証明されるのだなとつくづく思いました。
チームが勝つためになにができるか――。
個人的には、キャプテンとして最大限チームをサポートし、絶対に日本代表のミッションを達成させたいという思いがありましたから。カメルーン戦は、自己犠牲の精神を持つ大切さをあらためて教えてくれた。そういう意味で、僕にとって忘れられないゲームです。
取材・構成:小須田泰二(フリーライター)
■参考資料
南アフリカW杯 グループリーグ第1戦
2010年6月14日16:00@南アフリカ・ブルームフォンテーン
日本 1-0 カメルーン
[得点]日=本田(39分)
[警告] 日=阿部(90+1分) カ=ヌクル(72分)
[日本]
スタメン/GK21川島永嗣、DF3駒野友一、22中澤佑二、4田中マルクス闘莉王、5長友佑都、MF2阿部勇樹、8松井大輔(69分9岡崎慎司)、17長谷部誠(88分20稲本潤一)、7遠藤保仁、16大久保嘉人(82分12矢野貴章)、FW18本田圭佑
サブ/GK1楢崎正剛、23川口能活、DF6内田篤人、12岩政大樹、15今野泰幸、MF10中村俊輔、14中村憲剛、FW11玉田圭司、19森本貴幸
監督:岡田武史
■プロフィール
川口能活プロフィール
かわぐち・よしかつ/1975年8月15日生まれ、静岡県出身。180センチ・77キロ。清水商高卒業後、横浜入り。その後、ポーツマス(イングランド)、ノアシャラン(デンマーク)、磐田、岐阜を経て、現在J3の相模原でプレー。4度のワールドカップ出場を誇る日本を代表するレジェンド。プロ24年目。
☆SC相模原オフィシャルHPはこちら
→http://www.scsagamihara.com/
大会を通して、圭佑が4試合中3試合でFIFAが選ぶマン・オブ・ザ・マッチに輝きました。カメルーン撃破のゴールをはじめ、1トップというポジションながら、彼の活躍は本当に素晴らしいものでした。その圭佑の1トップ起用とともに、個人的にベンチから見ていて、チーム戦術として成功したと思ったのは、阿部ちゃんのアンカー起用です。
彼がアンカーに入ったのはイングランド戦からでしたが、それ以降、チームの安定感が見違えるように増しました。要するに、チームが落ち着いてきたのです。ハードワークができるし、対人にも強いし、ボールを持ててビルドアップもできる。そのうえキャプテンシーもある。どうしてこれまでレギュラーではなかったのか、と思うほど、まさにチームの躍進に欠かせない“黒子”として、彼の存在感は絶大でした。圭佑が表のMVPならば、阿部ちゃんは裏のMVPといったところでしょう。
このように、ピッチの上で戦った選手たちが最大の殊勲者であることは間違いありませんが、チームが勝つことによって、僕たちサブメンバーの人間も、チームの一員として貢献できたことが証明されるのだなとつくづく思いました。
チームが勝つためになにができるか――。
個人的には、キャプテンとして最大限チームをサポートし、絶対に日本代表のミッションを達成させたいという思いがありましたから。カメルーン戦は、自己犠牲の精神を持つ大切さをあらためて教えてくれた。そういう意味で、僕にとって忘れられないゲームです。
取材・構成:小須田泰二(フリーライター)
■参考資料
南アフリカW杯 グループリーグ第1戦
2010年6月14日16:00@南アフリカ・ブルームフォンテーン
日本 1-0 カメルーン
[得点]日=本田(39分)
[警告] 日=阿部(90+1分) カ=ヌクル(72分)
[日本]
スタメン/GK21川島永嗣、DF3駒野友一、22中澤佑二、4田中マルクス闘莉王、5長友佑都、MF2阿部勇樹、8松井大輔(69分9岡崎慎司)、17長谷部誠(88分20稲本潤一)、7遠藤保仁、16大久保嘉人(82分12矢野貴章)、FW18本田圭佑
サブ/GK1楢崎正剛、23川口能活、DF6内田篤人、12岩政大樹、15今野泰幸、MF10中村俊輔、14中村憲剛、FW11玉田圭司、19森本貴幸
監督:岡田武史
■プロフィール
川口能活プロフィール
かわぐち・よしかつ/1975年8月15日生まれ、静岡県出身。180センチ・77キロ。清水商高卒業後、横浜入り。その後、ポーツマス(イングランド)、ノアシャラン(デンマーク)、磐田、岐阜を経て、現在J3の相模原でプレー。4度のワールドカップ出場を誇る日本を代表するレジェンド。プロ24年目。
☆SC相模原オフィシャルHPはこちら
→http://www.scsagamihara.com/