日本は才能を無駄にしていないか!? 町田・酒井良コーチが見たセルビアの育成事情【後編】

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2018年02月01日

コーチの働きかけひとつで、セルビアのような自立心を持った選手を育てられる。

セルビアでの研修について語ってくれた酒井氏。今後は、町田で現地での経験を活かしていくという。

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――最後に、このVNでの経験を今後にどうつなげていこうと考えていますか。
 
 日本サッカー協会には2050年にもう一度ワールドカップを開催し、優勝するという目標があります。でも、向こうで暮らすうちに、こういう才能を無駄にせず、大きく伸ばすアカデミーを持った国と対等に戦うのは、今のままでは難しいと思うようになりました。
 
 例えば、コーチの配置、受験期の停滞、待ち時間の多い大人数での練習、こうした育成環境の課題を変えていかなければいけない。これらは長く根づいたもので、すぐに変えるのは難しいですが、本場を見てきた者として、課題を訴えていくことは大事だと思っています。
 
 町田の指導者としては、身の周りのちょっとしたところからでも、向こうで得たものを生かしていきたい。コーチの働きかけひとつで、セルビアのような自立心を持った選手を育てられると思います。
 
 町田は小さなクラブだけどトップチームは勝負強くて、アカデミーからはいい選手が次々と出てくる。そんな存在感のあるクラブにしていきたいです。
 
◆プロフィール
酒井 良(さかい・りょう)/1977年8月9日生まれ、神奈川県出身。桐光学園高―東京農業大―湘南-山形―沖縄かりゆしFC-草津(現群馬)-町田。現役時代は、おもに湘南、山形在籍時にJ2でプレー。その後、加入した町田ではチームを関東リーグ2部の時から支え続け、J2昇格へ導く原動力に。2012年限りで現役を引退し、翌年に指導者に転向。町田のアカデミーで育成に携わる。
 
取材・文●熊崎 敬(スポーツライター)
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