山田を苦しめた理想と現実とのギャップ
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舞台裏を明かせば、このインタビューは静岡ダービーの4日後に行なわれた。その1週間後の10月25日、横浜F・マリノスとの天皇杯で山田は肉離れを起こした。
ドイツ時代、1年目の後半から2年目の前半に懸けて約1年間、ゴールから見放された時期がある。監督が信頼して起用し続けてくれたからこそ苦しく、それは、3年目にベンチ外になったことよりも辛い経験だったという。
「理想と現実とのギャップに苦しみ、自分を追い込んで、自信をどんどん失ってしまったんです。そんな状態が1年ぐらい続いて。でも、ある時、こんなはずじゃないと思うのを止めて、これが今の実力なんだと受け入れた。そのうえで改めて、これから点が取れるようになるのか、と自問して、その自信はあるぞと。そうやって段階を踏んだら、少しずつプレッシャーから解放されて、再び自信を取り戻すことができたんです」
3つの目標はまだ捨てていない、と語った山田にとって、復帰後初ゴールを奪い、まさに「ここから」という時に負った今回の怪我が大きなショックであろうことは想像にかたくない。
だが、信じてしまうのだ。単身乗り込んだ異国でスランプに陥り、四六時中サッカーと自身と向き合い、苦しみ、今の自分を受け入れることでスランプを克服した山田なら――。
現実を受け止め、目標に向かって、再び大きな一歩を踏み出すはずだ、と。
取材・文:飯尾篤史(スポーツライター)
※『サッカーダイジェスト』2017年11月23日号より転載。
舞台裏を明かせば、このインタビューは静岡ダービーの4日後に行なわれた。その1週間後の10月25日、横浜F・マリノスとの天皇杯で山田は肉離れを起こした。
ドイツ時代、1年目の後半から2年目の前半に懸けて約1年間、ゴールから見放された時期がある。監督が信頼して起用し続けてくれたからこそ苦しく、それは、3年目にベンチ外になったことよりも辛い経験だったという。
「理想と現実とのギャップに苦しみ、自分を追い込んで、自信をどんどん失ってしまったんです。そんな状態が1年ぐらい続いて。でも、ある時、こんなはずじゃないと思うのを止めて、これが今の実力なんだと受け入れた。そのうえで改めて、これから点が取れるようになるのか、と自問して、その自信はあるぞと。そうやって段階を踏んだら、少しずつプレッシャーから解放されて、再び自信を取り戻すことができたんです」
3つの目標はまだ捨てていない、と語った山田にとって、復帰後初ゴールを奪い、まさに「ここから」という時に負った今回の怪我が大きなショックであろうことは想像にかたくない。
だが、信じてしまうのだ。単身乗り込んだ異国でスランプに陥り、四六時中サッカーと自身と向き合い、苦しみ、今の自分を受け入れることでスランプを克服した山田なら――。
現実を受け止め、目標に向かって、再び大きな一歩を踏み出すはずだ、と。
取材・文:飯尾篤史(スポーツライター)
※『サッカーダイジェスト』2017年11月23日号より転載。