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【浦和】時に5トップに――。関根貴大の積極性とミシャ戦術が合致して生まれた理想的な一撃

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2015年04月26日

20歳の誕生日直後のゴールに「験がいい」と喜ぶ一方、いくつかの反省点も挙げる。

「2点目、3点目を狙いに行く。まだそこが欠けている」と語る関根。名古屋戦でのパフォーマンスにも満足する様子はない。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 関根は4月19日に誕生日を迎え20歳になったばかり。それだけに、「10代最後の試合でゴールを決められなかったので、今日は決めたかった。最近のリーグ戦はずっとスタメンで使ってもらっていたが、得点という結果を残せていなかった。ホッとしている。20代最初の試合だったし、験がいい」と喜んだ。
 
 実際、勢いを前面に出してグイグイ攻めることに集中していた以前と比べて、プレーが大人になってきている印象を受ける。名古屋戦ではゴールシーン以外からも、成長ぶりが感じられた。関根本人も「いつもは攻撃的に行くことを心掛けていたが、今日(名古屋戦)は攻守の切り替えのところをより重視して臨んだ」と振り返っている。
 
 同じ3-4-2-1システム同士の対戦で、彼が対峙した相手はハリルホジッチ体制下で日本代表にも選ばれた永井だった。
 
「同じシステムなのでマッチアップが鍵を握っていた。ちょっとでも隙を与えれば失点につながってしまうと警戒していたが、スピードを乗せる前に潰すことができた。攻守の切り替えのところで勝てたことが、チームの勝利にもつながったと思う」
 
 関根はそのように永井対策として、「攻守の切り替え」をポイントに挙げていた。まさにそこで両チームの明暗が分かれたようで、名古屋の西野監督は「浦和は攻撃から守備への切り替えが速かった。守備に対する意識が高く、永井や川又のスピードを有効に使わせてもらえなかった」と敗因を語っていた。
 
 スタメンで試合に出続けるなかで、関根は「試合を読む力」も身に付けてきている。そんな一面も垣間見せたのだ。試合を重ねるたびに多くを吸収し、今、飛躍的に成長を遂げていることが分かる。
 
 とはいえ、本人は課題も感じ取っている。
 
「ドイツの選手は2点目、3点目を狙いに行く。まだそこが欠けている」
 
 昨季のC大阪戦、横浜戦、そしてこの日と、関根のゴールはインパクトを残してきた。ただし、複数得点――すなわち1試合2ゴール以上を奪えずにいることに、満足していない。追い求めている理想は、相手の戦闘能力を一気に減退させるような一撃だ。
 
 また、この日は足がつったため、84分に永田と交代している。その点についても、「90分間しっかり走り切れるようにしないといけない」と反省点に挙げていた。
 
「まだまだ足りないところばかり。もっと練習しないと」
 
 浦和ユース出身で2年目を迎えるアタッカーは謙虚でありながら、前向きだ。屈辱のACL敗退決定直後、結果いかんによってはネガティブな空気に包まれかねない一戦で、浦和を救ったのは"大人になった"関根だった。
 
 真新しい20代の地図に、情熱的で人を魅了するレッドダイヤが放つ光のように、輝く赤い第一歩を印した。

取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
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