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【明神智和】ボクはこうしてプロになった➁|「生活のほぼ全てがサッカー基準」育成年代から意識すべきピッチ外での立ち居振る舞い

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年03月01日

どういう選手が長くプロで活躍できるのか?

今季から磐田のコーチを務める中山氏。明神氏はコミュニケーション能力の高さも重要な要素だと語る。写真:徳原隆元

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 生活面での積み重ねと同様に、自身がステップアップしていく上で忘れてはならないのが新しい環境への適応です。プロ選手では、チームを移籍したり、遠征に出る、代表に招集されるなどその時々で変化が生じます。

 それに適応するには、とにかく会話をして自分を知ってもらう。そして相手を知るというのがまず重要になることです。対話、会話ができるというのは改めて大事なスキルなのだと思いました。

 僕自身は、なんでもガンガンとオープンに行ける感じではなかったですけど、ただ、代表に呼ばれたときは、同世代の人が多く、助けられたこともありました。できるだけみんなで行動する時間は部屋に籠らないようにしたり、みんなが集まっている部屋があったらそこに入っていったり、出来る事から広げていきました。自分の部屋で独りでいた方がストレスもないかもしれませんが、そこで一歩自分から踏み出すことは必要です。

 代表でご一緒した中山(雅史)さんや、カズ(三浦知良)さんはそういう部分も凄かったです。もちろん有名でみんなが知っているというのはあるかもしれないですけど、新しく入ってきた選手に対しても、すごくコミュニケーションをとりますし、いつもオープンなマインドで、明るい感じで入っていける。あの姿を見た時にやっぱりすごいなと感じました。

 サッカーの部分ももちろんですが、身体づくりの生活面であったり、普段からの心構えというか人間性の部分もお二人のように長くプロ生活を続けていく上では欠かせないものなのだと気づかされました。
 
 そして、最後に生活や人間性と切り離せないのがメンタルの保ち方です。

 今はSNSなどもあって、僕らの時代よりもプレッシャーが強くなっていると思います。オンとオフの切り替えという部分もより意識しなければいけません。

 大前提として、プロの世界なので、批判とか注目を浴びるということは受け入れないといけません。お金を払ってプレーを見てもらっているので、そこから逃げることはできないですし、そこに立ち向かえるだけの根っこの部分のしっかりとした意識を持っていないといけないです。

 その上で、自分がどう処理していくか。そこにはいろいろと工夫が必要だと思います。プレッシャーに勝っていく為には、日頃からそのプレッシャーを想像して、予測しておかなければならないですし、自分のレベルが上がって、クラブの規模も上がって、注目度が上がれば上がるほど、プレッシャーは強くなるので、そういう世界にいるというのは理解しておかなければいけません。

 オンとオフの切り替えを作ることが特に大事になります。僕が現役の時は意図的に頭を切り替える時間を作っていました。これまで話していたことと矛盾している部分かもしれませんが、生活全てをサッカーにと言いながらも、少しだけ頭、身体ともに離れられる時間をつくる。

 ゴルフをやったこともありますし、読書や映画鑑賞などもよいでしょう。僕はやったことないですけど、楽器とか弾けたら面白いのかな。頭、脳にも違った刺激もあるのかもしれないですね。

 生活面や人間性、メンタルというピッチ外の部分でもしっかりと考えて、取り組んでいる選手が最終的にはプロで長く生き残っていける選手だと実感しています。

 日頃のちょっとした習慣からも差がついていくということを、育成年代の時から気付けるかどうか。僕も選手にも伝えていることですし、そこを考え続けて、取り組み続けられる、そういう選手が代表に入って、海外に行って、長くプロで活躍し続けられるというのは間違いないと思います。

【著者プロフィール】
明神智和(みょうじん・ともかず)/1978年1月24日、兵庫県出身。シドニー五輪や日韓W杯でも活躍したMF。黄金の中盤を形成したG大阪では2014年の国内3冠をはじめ数々のタイトル獲得に貢献。現在はガンバ大阪ユースコーチとして活躍中。また、「初の著者『徹する力』を2月26日に上梓した。
 
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