監督:クリスティアン・シュトライヒ
2019年のU-21欧州選手権得点王に輝いたルカ・ヴァルドシュミット(→ベンフィカ)に加え、リベロと守備的MFをハイレベルにこなしたドイツ代表のロビン・コッホ(→リーズ)、長らく正GKを務めていたアレクサンダー・シュボロウ(→ヘルタ・ベルリン)が流出。戦力ダウンは否めないが、スモールクラブにとっては巨額の4000万ユーロ近い移籍金を手に入れた。
その資金を元手に優秀な後釜を確保したいところだが、ここまでの補強は満足できるものではない。スイスのザンクトガレンで14得点と気を吐いたFWエルメディン・デミロビッチ(ハンブルク生まれのボスニア・ヘルツェゴビナU-21代表)にしても、スパルタク・モスクワから加入したプレーメーカーのフース・ティル(22歳のオランダ代表)にしても、はたして初挑戦のブンデスリーガで前任者たちの穴を埋める活躍を見せられるか。
GKの補強は見送る予定(昨シーズンまで第2GKだったマルク・フレッケンにゴールマウスを託す)だが、ブンデスリーガでの確かな実績を備えたフィールドプレーヤー、とくにコッホの代役となるセントラルMFは確保しておきたい。
もっとも、就任10年目を迎えたクリスティアン・シュトライヒ監督率いるチームの生命線は、組織力とハードワーク。特定の個に依存しないスタイルに磨きをかけ、昨シーズンは望外のトップ10入りを果たした。その戦い方は変わらないだろう。
基本システムはオーソドックスな4-4-2と守備重視の5-3-2(5-4-1)。明らかな格上相手には無理に細かいパスをつなごうとせず、最終ラインからのロングフィードで一気に敵陣の攻略を図る。手数をかけない速攻の仕上げ役は、経験豊富なストライカーのニルス・ペーターゼン、昨シーズンに急成長を遂げたルーカス・ヘーラーだ。
リーグ有数のウイングバック(サイドバック)、クリスティアン・ギュンター、崩しの切り札であるヴィンチェンツォ・グリフォ、直接FKを叩き込む力を持つジョナタン・シュミッドなど、優秀なキッカーが揃うセットプレーも引き続きチームの主武器になりそうだ。
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文●遠藤孝輔
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