世界王者の意味と監督への憧れ
36歳で現役生活にピリオドを打ったデ・ロッシ。そのキャリアを振り返るうえで、欠かせないのが、2006年のドイツ・ワールドカップ制覇だ。
――世界チャンピオンになることは一体何を意味しているのだろう。君にとっての2006年のワールドカップは何もかもが起きた大会だった。グループリーグの第2節で退場になって、4試合の出場処分を受けて、ようやく戻って来た決勝では、フランス相手にPK戦でキックを決めた。あの時の君はわずか22歳だったね。
――世界チャンピオンになることは一体何を意味しているのだろう。君にとっての2006年のワールドカップは何もかもが起きた大会だった。グループリーグの第2節で退場になって、4試合の出場処分を受けて、ようやく戻って来た決勝では、フランス相手にPK戦でキックを決めた。あの時の君はわずか22歳だったね。
「22歳の頃というのは、世界チャンピオンになることの意味を理解していないものだ。自身のキャリアにおいて何を意味するかも、国にとっての意味も。イタリアで街を歩いているとみんな挨拶をしてくれて、決勝のフランス戦でPK戦が行なわれていた間にそれぞれが何をしていたか話してくれる。
誰もあの時のことを忘れたりしないんだ。当時まだ生まれてもいなかった15歳くらいの子が、私を見て感謝してくれることもある。感慨深いよね。情熱的なラテン諸国ではどこでもこういうことが起きるから、アルゼンチンでも78年と86年に世界チャンピオンになった元選手たちはどこに行っても賛辞され続けていることだろう。
私はどこでプレーしても全力を出し切り、相手チームのサポーターから猛烈な罵声を浴びせかけられたが、一旦試合が終わったら敬意を感じた。それもワールドカップのおかげだったとわかっている。22歳の頃はオープントップバスの上で祝福しながら酔っ払っていても、あとになってから母国の代表として、ワールドカップで勝つがどれだけ意味のあることなのかに気づくものなのさ」
世界の頂に立ったデ・ロッシは、ファビオ・カペッロ、マルチェロ・リッピ、アントニオ・コンテら多くの名将たちに師事し、自らの肥やしにしてきた。「それぞれの監督から何かを学んだし、そのなかにはあまり良くないと思うこともあった。彼らのミスは、私が同じことをやらないための学びとなる」という言葉からは、監督業への憧れと野心が見え隠れする。
「自分が監督になるのも近いと思う。確信はあるし、準備もできていると感じるし、熱意もある。コーチングスタッフともミーティングをしているんだ。チームはなくても、今まで見たことのなかった位置からサッカーを見て、すでに一緒に仕事を始めている。焦っているわけではないけど、やる気に溢れていて、その可能性にワクワクしているところさ」
誰もあの時のことを忘れたりしないんだ。当時まだ生まれてもいなかった15歳くらいの子が、私を見て感謝してくれることもある。感慨深いよね。情熱的なラテン諸国ではどこでもこういうことが起きるから、アルゼンチンでも78年と86年に世界チャンピオンになった元選手たちはどこに行っても賛辞され続けていることだろう。
私はどこでプレーしても全力を出し切り、相手チームのサポーターから猛烈な罵声を浴びせかけられたが、一旦試合が終わったら敬意を感じた。それもワールドカップのおかげだったとわかっている。22歳の頃はオープントップバスの上で祝福しながら酔っ払っていても、あとになってから母国の代表として、ワールドカップで勝つがどれだけ意味のあることなのかに気づくものなのさ」
世界の頂に立ったデ・ロッシは、ファビオ・カペッロ、マルチェロ・リッピ、アントニオ・コンテら多くの名将たちに師事し、自らの肥やしにしてきた。「それぞれの監督から何かを学んだし、そのなかにはあまり良くないと思うこともあった。彼らのミスは、私が同じことをやらないための学びとなる」という言葉からは、監督業への憧れと野心が見え隠れする。
「自分が監督になるのも近いと思う。確信はあるし、準備もできていると感じるし、熱意もある。コーチングスタッフともミーティングをしているんだ。チームはなくても、今まで見たことのなかった位置からサッカーを見て、すでに一緒に仕事を始めている。焦っているわけではないけど、やる気に溢れていて、その可能性にワクワクしているところさ」