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「奇跡なんかじゃない」ドイツ1部昇格を決めたビーレフェルト。“ダークホース”がリーグ首位独走に至るまで【現地発】

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2020年06月24日

指揮官ノイハウスの理想を体現

ビーレフェルトを1部昇格に導いたノイハウスの手腕も高く評価されている。(C)Getty Images

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 4-3-3を基本システムに、ショートパスでボールを大事につなぎながら、自分たちでチャンスを創出するオフェンシブサッカーを志向している。だが、それを言葉だけで終わらせず、実際にピッチで実現するために丁寧なアプローチでチーム作りに成功。クロスも「ウーベ・ノイハウスのプレーアイディアそのもの、そしてそれを実際のプレーに落とし込む手腕。今まで一度も体験したことがないものだった。細かいところまで丁寧に指導する」と絶賛している。

 金銭面からしたらビーレフェルトは2部リーグでもトップレベルではない。名門クラブとされるハンブルガーSVやシュツットガルトと比較したら人件費も選手層も何もかもが違う。そのためドイツメディアには「ビーレフェルトの奇跡」という見出しで記事を書かれることが多かった。

 だが、選手も監督も奇跡的なことをしているつもりはない。クロスはこう語る。

「最近ずっと『ビーレフェルトの奇跡』という記事を読むけど、これにはちょっと納得はいかないんだ。僕らが成し遂げたことは奇跡なんかじゃない。優れたコーチングチームと、貪欲に学び自信を勝ち取り続けたチームの成果なんだから」
 
ノイハウスは現在60歳。新進気鋭の若手とはちがう味がある。

「謙虚な野心家」

 レジェックはノイハウスをそう称した。そんな老練な指揮官に率いられたチームは、クラブの象徴的選手を中心にまとまり、見事な1部復帰を成し遂げた。

 いまは新型コロナウィルスの影響で無観客試合が行われている。昇格を決めたが、ファンとともに盛大なセレモニーをすることはできない。だからこそ、来季1部で観客が入ったスタジアムを中心に、人口33万人のビーレフェルト全体が揺れ動くその時を、みんなが待ちわびている。

 
筆者プロフィール/中野吉之伴(なかの きちのすけ)

ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中
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