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「奇跡なんかじゃない」ドイツ1部昇格を決めたビーレフェルト。“ダークホース”がリーグ首位独走に至るまで【現地発】

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2020年06月24日

“雑草魂”でのし上がってきたエースが爆発

ファビアン・クロスがブレーク。(C)Getty Images

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 そんなビーレフェルトにはクラブの象徴とされる選手がいる。背番号9、ファビアン・クロス。キャプテンであり、点取り屋だ。今季19点で2部リーグの得点王争い首位に立っているだけではなく、アシスト数も10をマークし、チーム59得点中約半分の29点に直接絡んでいるのだ(第32節終了時)。

 クロスは、将来を有望視されていた選手ではない。地元クラブでサッカーを続け、プロの育成アカデミーでプレーしたことはなく、成人チームでは9部リーグクラブでプレーする選手だった。

それが、銀行員としての研修をスタートさせた年に、ヴォルフスブルクのセカンドチームから声がかかった。5部とびぬけのステップアップだ。さらに24歳の時にビーレフェルトからオファーを受けて3部リーグへ移籍。それ以来9年間、ビーレフェルト一筋でやってきている。

 公式戦通算325試合に出場し、150ゴール。2度の2部リーグへの昇格、そして3部リーグへの降格も経験している。1部リーグ出場記録は、まだない。他クラブからのオファーがまいこむこともあった。だがそれをすべて断ってきた。「ビーレフェルトは金銭的に多くを出せる状態ではなかった。他のクラブに行けばもっとお金を稼ぐことはできたかもしれない。でも、ぼくは心から安心してサッカーができる環境が必要なタイプなんだ」とクラブ愛を語る。

 そんなクロスは、強いシンパシーを感じる選手として元リバープールのスティーブン・ジェラードの名前を挙げている。

「ひとつのクラブと永遠に結びつきつづけるというのはとても印象深い。それもサッカーのトップレベルの世界で、そうした人物がいるということにね。僕もビーレフェルトとそういう関係でい続けたいんだ」

 32歳と年齢的にはすでにベテランのクロスだが、いまなお成長を続けている。その理由の一つに、クラブを昇格へと導いた指揮官ウーベ・ノイハウスの存在がある。18年12月から指揮を執ると、当時14位に沈んでいたクラブは上昇気流に乗せた。
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