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謎の吐き気と下痢。自分の身体ではないような感覚に襲われ…【福田正博が語る“オフトジャパンの真実”EP3】

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2020年05月12日

最終予選を前にチームは危機的な状況に…

アメリカ・ワールドカップのアジア1次予選を戦った基本スタメン。この時すでに完成形になっていた印象もある。

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 当時の代表メンバーで苦しんだのはなにも福田だけではない。オフトジャパン不動の左サイドバックだった都並敏史が5月22日の広島戦で左足首を負傷して以降も強行出場した結果、7月18日に亀裂骨折が判明。また、魂のキャプテン・柱谷もウイルス性の風邪をこじらせて8月から1か月ほど入院生活を余儀なくされたのだった。ワールドカップ・アジア最終予選を前に、チームは危機的な状況に直面していた。

 のちに福田はオフトからこう言われている。

「『最終予選の前にスペインに行っただろ。なんのために行ったか分かるか? 選手たちを休ませるために行ったんだぞ』と教えてもらった。オフトはあの時期どうしてもチームをメディアから遠ざけたかったんだ」

 しかし、当時の福田はそんなことを知る由もない。9月のスペイン遠征(相手はベティス、カディス、ヘレス)は3戦全敗。福田の言葉が当時のチームの苦境を物語っていた。「自分たちにはリラックスできる余裕もなかった」。
 
 柱谷が戦列に復帰したアジア・アフリカ選手権のコートジボワール戦(10月4日)こそカズのゴールで1-0と勝利したものの、都並に復帰の目途が立っていなかった。代役として左サイドバックに抜擢された三浦泰年がこの試合で及第点の働きはしたが、どこかチームとして機能不全な部分もあった。そんな状況下で、福田はコンディション調整に相変わらず苦しんでいた。在籍先の浦和がJリーグで結果を残せないことも重なり、ナーバスな状態になっていた。

「良い状態ではなかったね。思うようにいかないから、余計にいろんなことが気になってしまって。元々神経質なのが、より過敏になってしまった。実は当時、坐骨神経痛の問題もあって……。心身ともに万全ではないというか、繊細さが悪いほうに出たかな」

 そうしたナーバスな状態で、福田は“最終決戦の地”ドーハへと旅立っていった。<エピソード4に続く。文中敬称略>

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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