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「乾貴士の登場でもはや“鬼門の地”では…」スペイン人記者が見たラ・リーガの歴代日本人選手【現地発】

カテゴリ:海外日本人

アレハンドロ・アロージョ

2020年05月10日

“ダブルシンジ”はくっきり明暗が分かれる結果に…

ドイツとプレミアで実績を積んだ香川(左)と岡崎(右)は今季からラ・リーガ2部に戦いの場を移した。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

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 昨夏、欧州での豊富な実績を引っ提げてラ・リーガ2部に新たな挑戦を求めた両ベテラン、香川と岡崎の“両シンジ”はくっきり明暗分かれる結果となっている。期待を裏切っているのが香川だ。昨夏サラゴサに鳴り物入りで入団したが、開幕以来、輝きを放ったのは最初の数試合だけ。明らかになったのは31歳になり、2部特有のタフなサッカーについていけないフィジカルの衰えと、それに伴って周囲のサポートと一定の役割を得られないと持ち味を発揮できないプレースタイルの特殊性である。
 
 香川と言えば、ユルゲン・クロップ(現リバプール監督)時代のドルトムントでのプレーが我々スペイン人の間でも強い印象が残っているが、サラゴサでも序盤は当時と同じトップ下のポジションを与えられた。
 
 ただFWラファエル・ドゥワメナの長期の戦線離脱、その代役としての同じトップ下タイプのハビ・プアードの加入、司令塔イニゴ・エグアラスの成長、ルイス・スアレスのエースとしての一本立ち、4-3-1-2から4-2-3-1へのシステムの変更と、シーズンが進むにつれて周囲の状況が変化する中で、対応力不足が仇となり、居場所を見出すことができていない。
 
 一方の岡崎の良さは、まさにその香川に欠けている主役にも脇役にもなれる対応力の高さにある。一時スタメンから離れて途中出場が続いた時期もあったが、試合展開や相手の守備に応じてプレーと役割を変えられる戦術的柔軟性を武器に中断前の時点では再びポジションを奪取。1部復帰を目指して好調をキープしていたウエスカで出色のパフォーマンスを披露した。
 
 相手のマークを引き付け、中盤やサイドといった味方の選手にスペースを作るプレーは職人芸の域にあり、またどんな状況にも動じないメンタルタフネスと競争心の高さも特筆に値する。久保とはまた異なり、円熟味が加わった技術でチームに貢献するその姿は、我々スペイン人にも、日本人選手の相対的なレベルの向上を確かに印象付けている。
 
文●アレハンドロ・アロージョ(エコス・デル・バロン)
翻訳●下村正幸
 
エコス・デル・バロン/近年、ピッチ外に出来事に取り上げる傾向が加速している既存のメディアと一線を画して、フエゴ(スペイン語でプレーの意味)に特化して細かく深い戦術分析を専門とするWEBメディア。
 
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