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ホッフェン会長への侮辱バナー掲示は“正当な抗議”か? ブンデスで頻発した横断幕問題、大切なのは歩み寄りだ【現地発】

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2020年03月27日

スタジアムでの自由は、どのように守られるべきか

フランクフルトサポーターは、ヒュッター監督へのメッセージを掲示した。 (C) Getty Images

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 この歩み寄りは、個人的には評価されるべきだと思う。スタジアムでは多少の罵詈雑言が飛び交うのは日常茶飯事だし、日常生活のストレスやうっぷんをスタジアムで晴らすという昔からの伝統もある。規則が厳しすぎては楽しめないというファン心理も十分理解できる。

 だからといって、特定人物に対して誹謗中傷、侮辱・恐喝と攻撃し続けることが許されるはずもない。サポーターも歩み寄るべきだ。

 殺伐とする雰囲気のなか、機転ある反応をみせていたのが、長谷部誠と鎌田大地が所属する、フランクフルトのファンだ。DFBポカール準々決勝フランクフルト対ブレーメン戦のキックオフ前、ゴール裏に大きなバナーにを掲げた。

「アディ、タイムアウトが必要だったら教えてくれ!」

 サポーターが”試合を中断させる”行為を皮肉った、捻りのきいたメッセージ。フランクフルト監督のアディ・ヒュッター監督は、試合後のミックスゾーンで「我々のファンには感謝するよ」とコメント。

「問題になっていたもやもやをいい形でふき飛ばしてくれたと思う。私はユーモアとして受け取ったよ。今後、バスケットボールなどスポーツにあるような、タイムアウトが必要になることもあるかもね(笑)」

 ファンにはファンの言い分があり、DFBやブンデスリーガクラブとして譲れない線もある。だから、互いに相手の考えを考慮しないまま言い合っても、水掛け論のままだ。

 僕は、ファンの要求をある程度認め、お互いに納得できるように規律を整理し、また誰もが楽しめるスタジアムになってほしいと願っている。結局、「みんなサッカーが大好き」という点は同じ方向を向いているはずだからだ。

 新型コロナウイルスの影響でリーグは中断し、今後はますますクラブとサポーターの絆は重要になっていく。だからこそ、建設的にお互いに歩み寄りの道を探していくべきだ。
 
筆者プロフィール/中野吉之伴(なかのきちのすけ)

ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中

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