• トップ
  • ニュース一覧
  • ホッフェン会長への侮辱バナー掲示は“正当な抗議”か? ブンデスで頻発した横断幕問題、大切なのは歩み寄りだ【現地発】

ホッフェン会長への侮辱バナー掲示は“正当な抗議”か? ブンデスで頻発した横断幕問題、大切なのは歩み寄りだ【現地発】

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2020年03月27日

DFBが廃止したはずのルールを執行したことへの反発

バイエルン対ホッフェンハイムで掲げられたバナー。スタジアムは騒然とした雰囲気に包まれた。 (C) Getty Images

画像を見る

 11月2日には、DFBスポーツ裁判で判決が出され、ドルトムント側には罰金5万ユーロ(約625万円)が課された。そして、次回もホップに対する侮辱攻撃が繰り返される場合、20年までホッフェンハイム戦におけるドルトムントファンの入場を全面的に禁止するという判決が下った。だが、この件には22年6月末までの”執行猶予”がつけられていた。

 だが、19年12月20日、ホッフェンハイムにとってのアウェー戦で、ドルトムントファンが再びホップへの侮辱・脅迫行為を行なう。結果、20年2月20日、再びの5万ユーロの罰金判決に加え、同時に22年までのスタジアム入場禁止が執行されたのだ。

 この罰則執行に、ドイツ中のサポーター集団が反旗を翻した。20年2月22日、ボルシアMGのサポーターがホッフェンハイムとのホーム戦で大きな抗議運動を行ない、その後に起こったのがバイエルン戦だった。同日夕方キックオフのウニオン・ベルリン対ヴォルフスブルク戦、翌日の2部ビーレフェルト対ハノーファー戦でも、同様のバナーが出現し、試合はそれぞれ一時中断されている。

 彼らが怒り心頭しているのは、「DFBが約束を違えた」からだ。17年にDFBが各サポーターグループとの協議し、集団罰則を廃止した。それが今回、ホップのために破られたことで、「約束が違う」「批判や抗議は、我々の権利」と主張し、抗議しているのだ。

 3月6日、各クラブウルトラスの多くが加盟するファンツェーネンドイチュランズは、改めてDFBに抗議文を叩きつけた。

「我々ファン文化と価値に関する重要なことだ。我々ファンはサッカー界における基盤であり、精神だ。団体罰則に関する取り決めを精査すべきで、DFBは今のやり方を改める時期だ。そして、ドルトムントファンに対するスタジアム立ち入り禁止令を、即刻解除することを望む」

 翌7日、DFBは新たなルールを追加することを発表。これまで試合を中断する権利は、「年齢、障害、性別、宗教、世界観、ルーツを理由に差別表現をしたとき」と定めていたが、この基準に新しく、「ターゲットスコープで人物に標準を合わせるような脅迫的バナー」が加わった。

 ただし、「各種機関や人物に対する批判は許可される。多少侮辱的、反スポーツになったとしても、試合は続行される」とした。欧州において、ある程度のブーイングや批判は、ファンが意見を口にする自由として昔から認められている。DFBに対する批判や抗議活動は罰則の対象とはならない。

「サポーターとの対話を通して、問題を解消できるようにしていきたい。我々はドイツの創造的で批判的な文化を評価しているし、今後も保持したいと思っている」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ