システムはもちろん4-2-2-2で、中盤に2人のマエストロが君臨する形さ。
GKはタファレル。セレソンでは90年から3大会連続でワールドカップに出場した。すべてのセーブが簡単に見えたのは、そう見せないポジショニングの妙だったり、高度な技術があったからこそ。GKに必要な全ての要素を高次元で兼ね備えていた。
最終ラインは、素晴らしいテクニックを持ったレアンドロが右、抜群のキープ力とスタミナ、知性を兼備したジュニオールが左。CBはアウダイールとルイジーニョ。アウダイール! エレガントな守備者だったよね。闇雲なロングボールは蹴らない、不用意なファウルは犯さない。つねに頼りになる存在だった。
中盤は、いずれもフットボール史に燦然と輝く巨星たちだ。ファルカンはボールがどんな色だったか知らないんじゃないか(笑)。それくらい、いつもルックアップして、背筋をピンと伸ばしてプレーする、卓越した司令塔だった。
ジーコは日本のファンにはすっかりお馴染みだろう。完璧な10番にして、完璧なフィニッシャーだった。ソクラテスは「ワンタッチパスの達人」だけど、運動量も豊富で闘争心も旺盛だったな。
このメンバーにアルゼンチンの天才マラドーナを加えて、完璧な中盤の出来上がり。マラドーナの凄さは、ナポリで一緒にプレーした僕が一番よく知っているよ(笑)。魔法のようなアシストの恩恵に与ったからね。
2トップの一角は、ドイツのゲルト・ミュラー。スピードと爆発力がある最高のストライカーだったよね。そして最後のひとりは……、そう、この僕! お願いだ、このチームでプレーさせてくれ!(笑)
文:ジェフェルソン・ロドリゲス
翻訳・写真:MIJ International
カレカ
本名アントニオ・ジ・オリベイラ・フィーリョ。1950年10月5日生まれ、サンパウロ州アララクアラ出身。ナポリやブラジル代表で活躍した80年代を代表するストライカーで、93年から4年間、柏レイソルでプレー。JFLからJリーグへの昇格に多大な貢献を果たした。ナポリではマラドーナとのホットラインでゴールを量産、セリエA優勝とUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)優勝を成し遂げる。82年にデビューしたブラジル代表では、64試合・30得点。86年メキシコ・ワールドカップでは得点ランク2位の5ゴールを挙げた。
