若くアグレッシブなチームに変貌したチェルシー。

ランパードというレジェンドを新監督に迎えてリスタートするチェルシー。エイブラハム(右)やマウントといったレンタルバック組のレギュラー定着と成長が上位進出するうえで必須事項だ。(C)Getty Images
チェルシーはマウリツィオ・サッリの退任や補強禁止処分などの逆境を利用し、フランク・ランパードを新監督に据えて、アカデミー出身の選手たちを積極的に起用する若くアグレッシブなチームに変貌した。
ランパードは昨シーズン以上に攻撃的なスタイルを志向している。相手ボールの際は前からプレスをかけてショートカウンターを狙いつつ、低い位置でボールを持った際には急ぎすぎずに丁寧に繋ぐ戦い方を採用。すでにチームにそのスタイルを定着させた。ロンドンの青き雄は、クラブのレジェンドを中心に一丸となって戦う準備が整っているように見える。
ただいくつか懸念もある。一番大きいのはエデン・アザールが退団したことで、絶対的なスコアラーが不在である点だ。またドリブル突破で違いを作れるラカム・ハドソン=オドイやルベン・ロフタス=チークなどが負傷により長期離脱しているのも痛手だ。序盤戦は得点力不足に悩まされる可能性がある。新戦力のクリスティアン・プリシッチ(ドルトムントから)や、レンタルバック組のメイソン・マウント、テイミー・エイブラハムらのレギュラー定着と成長が上位進出するうえで必須事項だ。
ランパードは昨シーズン以上に攻撃的なスタイルを志向している。相手ボールの際は前からプレスをかけてショートカウンターを狙いつつ、低い位置でボールを持った際には急ぎすぎずに丁寧に繋ぐ戦い方を採用。すでにチームにそのスタイルを定着させた。ロンドンの青き雄は、クラブのレジェンドを中心に一丸となって戦う準備が整っているように見える。
ただいくつか懸念もある。一番大きいのはエデン・アザールが退団したことで、絶対的なスコアラーが不在である点だ。またドリブル突破で違いを作れるラカム・ハドソン=オドイやルベン・ロフタス=チークなどが負傷により長期離脱しているのも痛手だ。序盤戦は得点力不足に悩まされる可能性がある。新戦力のクリスティアン・プリシッチ(ドルトムントから)や、レンタルバック組のメイソン・マウント、テイミー・エイブラハムらのレギュラー定着と成長が上位進出するうえで必須事項だ。
最後にアーセナルについては、アーロン・ラムジーという主力級の攻撃的MFの退団が決まったものの、司令塔ダニ・セバジョスをレアル・マドリーからレンタルで獲得し、ウイングながら高い得点力を誇るニコラ・ペペを分割払いながらクラブレコードの金額で獲得した。攻撃面の戦力は昨シーズンと比較すると上積みされており、戦術家のウナイ・エメリとしても選択肢が増えるのは喜ばしいはずだ。
しかし問題点もある。相変わらずというべきか、最終ラインの補強が遅々として進んでいない。もともと今シーズンの補強予算が4500万ポンドしかないという制約条件もあって難しい状況であるとはいえ、最終ラインの状況は深刻だ。
ミスが多いスコドラン・ムスタフィの評価は低下しつづけており、ソクラティス・パパスタソプーロスはホールディング癖があるため、VARが導入される今シーズンはどの程度活躍できるのか計算しにくい。昨シーズンに急成長を遂げたロブ・ホールディングは負傷離脱空けでフィットネスがまだ100パーセントではない。あげくの果てにキャプテンであり最終ラインの絶対的な存在だったロラン・コシエルニーが退団希望を表明し、先ごろボルドー移籍が決定した。
魅力的な攻撃陣を擁するうえ、監督がトップクラスの戦術家であるため、ハマれば強いのは間違いない。ただし最終ラインに不安を抱えている現状では継続的な勝利は難しい。8日にクローズする移籍市場で即戦力を補強するか、あるいはカラム・チェンバースなど若手の台頭があれば、トップ4入りも見えてくるが……。
文●内藤秀明(プレミアパブ)
Text by Hideaki NAITO