川崎を過小評価していたわけではない
勝敗を分けたのは、ラスト20分だ。後半開始から投入された知念慶、L・ダミアンは非常に効果的だった。彼らのもたらした勢いと激しいプレーによって、スタミナが尽きて停滞ぎみだったチェルシーは一気に畳み掛けられ、最終ラインはズタズタにされた。
そして最後の数分に、リーグ戦の激しい戦いに身を置く川崎との“差”が出てしまったのだ。チェルシーの疲労は明白だった。だが、それはJリーグ王者の素晴らしいパフォーマンスの価値を損なう理由にはならない。
ゴールの瞬間を迎えるにあたり、川崎には、勝利を掴むための“心の拠り所”が存在していたことも印象的だ。ベテランの中村憲剛の存在がチームを鼓舞した。全員が決して諦めずにトライし続け、カバジェロを超えて、レアンドロがゴールを決めるまで、エネルギーを途切れされることはなかった。ゴールの瞬間、それは頂点に達していたように思う。
そして最後の数分に、リーグ戦の激しい戦いに身を置く川崎との“差”が出てしまったのだ。チェルシーの疲労は明白だった。だが、それはJリーグ王者の素晴らしいパフォーマンスの価値を損なう理由にはならない。
ゴールの瞬間を迎えるにあたり、川崎には、勝利を掴むための“心の拠り所”が存在していたことも印象的だ。ベテランの中村憲剛の存在がチームを鼓舞した。全員が決して諦めずにトライし続け、カバジェロを超えて、レアンドロがゴールを決めるまで、エネルギーを途切れされることはなかった。ゴールの瞬間、それは頂点に達していたように思う。
私は、ランパードと彼の率いる選手たちは、川崎を過小評価していたわけではなかったと確信している。プレシーズンゆえに、結果への評価はシーズン中のそれと等しいとは言い難いが、彼らは横浜で勝ちたいと思っていたはず。この敗北は、彼らの胸に突き刺さるものだ。
それだけに、川崎は日ごろの努力に対して、期待以上の結果に高い評価を与えることができる。鬼木監督や選手たちだけではなく、6万人以上のファンがドラムを響かせ、フラッグを振り、チャントを唄った。彼らは勝利を引き寄せ、そして手にした。これは確かに”チャンピオン”であることの表われだ。
取材・文●マット・バーロウ(イギリス『Daily Mail』紙記者)