「プレーオフは特殊な戦い。勝ち上がる難しさはこの2年で思い知った」
――リーグ戦の後にはプレーオフが控えますが、ここ2年はそこでの敗退が続いています。
「プレーオフは本当に特殊。勝ち切るにはかなりのパワーと、運が必要です。ただ、僕は嫌いじゃないです。お客さんも入ってくれますし、皆さんが盛り上げてくれるので(笑)。まあ本来はそこに行かず自動昇格を勝ち取れればいいんですけど、今はまず、プレーオフ進出の権利を得なくちゃ話にならない。しっかり足下を見つめ、周囲を蹴落とし、這い上がっていきたいです」
――プレーオフでは、一昨年は決勝で大分に0-1で敗れ、昨年は準決勝で徳島と1-1で引き分けながらリーグでの順位が下だったために敗退。悔しい思いをしました。
「一昨年の大分戦は0-0で1点取ればという状況で、残り5分でやられてしまい、去年の徳島戦は先制され、すぐ追い付いて『行ける!』という状況でしたが、勝ち上がれませんでした。あと一歩のところまでいっても、ひとつの判断ミスが直に結果に反映されてしまう。リーグでの順位が低いと、相手にアドバンテージを与えますし、その辺の難しさはこの2年で実感しました」
――ただ、その舞台を経験している選手がチームに多いのは千葉にとってプラスだと感じます。
「この貴重な経験は生かさなくちゃいけないです。去年も正直、リーグ最終戦でプレーオフ進出が決まって、前年経験していたので自信を持っていたんです。でも、先制され、追いついてからなかなか点が取れなかった。試合終了後のあの絶望感は言葉で言い表わすのは難しいです。本当に天国と地獄というフレーズがピッタリ。ただ、切羽詰った状況でも遊び心というか、サッカーを楽しむ気持ちは忘れてはいけないとも思います」
――若手メンバーにはその経験を還元する必要もありそうですね。
「まあ若手にはいろいろ考えずに勢いを大事にしてほしいと思いますが、経験を上手くチームに反映させていきたいです。チームメイトには試合前に緊張してガチガチになる選手もいましたが、『そこで考えてもしょうがない』と、そういう話は去年も一昨年もしました。実際やってみないと分からない面はありますからね」
――J2での戦いも今季で5年目。今年こその期待は高まります。
「毎年、昇格と言い続けて……、このままでは口だけの男になってしまうので(笑)、結果を残したいという思いは本当に強い。ここまでの苦労をなんとか形に残したいです。ただ、その思いは僕だけじゃダメだと思いますし、チーム全員、そしてクラブに関わるみんながより意識を変えなくてはいけない。それが今のジェフに突きつけられている課題だと思うんです。充実した設備があるのに、J2のままでは恥ずかしいですよ。自分たちの力でなんとか現状を変えたいです」
――ご自身としてJ1の舞台で再び力を試したいという気持ちも強いようですね。
「J1でプレーするのは今の僕の夢です。若手に負けているつもりはありませんし、もう一度J1で勝負をしたい気持ちは人より強いと自負しています」
――サポーターもその姿を待ち望んでいると思います。
「皆さんにはこの時期になると、いい意味でも悪い意味でもドキドキさせてしまい、申し訳ないです。ただ僕たちを信じてほしい。選手たちは皆さんの期待に応えようと必死にやっています。全員で一戦必勝の覚悟を持ち、残りの試合に臨みます」
■プロフィール
やまぐち・さとし/ 1978年4月17日生まれ、高知県出身。178センチ・74キロ。佐川SS―佐川中―市原ユース―市原―G大阪―千葉。J1通算448試合・37得点。J2通算110試合・2得点(10月13日時点)。高いリーダーシップを誇る経験豊富な最終ラインの要。的確なポジショニングを武器に相手からボールを奪い、空中戦での強さも見せる。
取材・文:本田健介(週刊サッカーダイジェスト)
インタビュー写真:徳原隆元
「プレーオフは本当に特殊。勝ち切るにはかなりのパワーと、運が必要です。ただ、僕は嫌いじゃないです。お客さんも入ってくれますし、皆さんが盛り上げてくれるので(笑)。まあ本来はそこに行かず自動昇格を勝ち取れればいいんですけど、今はまず、プレーオフ進出の権利を得なくちゃ話にならない。しっかり足下を見つめ、周囲を蹴落とし、這い上がっていきたいです」
――プレーオフでは、一昨年は決勝で大分に0-1で敗れ、昨年は準決勝で徳島と1-1で引き分けながらリーグでの順位が下だったために敗退。悔しい思いをしました。
「一昨年の大分戦は0-0で1点取ればという状況で、残り5分でやられてしまい、去年の徳島戦は先制され、すぐ追い付いて『行ける!』という状況でしたが、勝ち上がれませんでした。あと一歩のところまでいっても、ひとつの判断ミスが直に結果に反映されてしまう。リーグでの順位が低いと、相手にアドバンテージを与えますし、その辺の難しさはこの2年で実感しました」
――ただ、その舞台を経験している選手がチームに多いのは千葉にとってプラスだと感じます。
「この貴重な経験は生かさなくちゃいけないです。去年も正直、リーグ最終戦でプレーオフ進出が決まって、前年経験していたので自信を持っていたんです。でも、先制され、追いついてからなかなか点が取れなかった。試合終了後のあの絶望感は言葉で言い表わすのは難しいです。本当に天国と地獄というフレーズがピッタリ。ただ、切羽詰った状況でも遊び心というか、サッカーを楽しむ気持ちは忘れてはいけないとも思います」
――若手メンバーにはその経験を還元する必要もありそうですね。
「まあ若手にはいろいろ考えずに勢いを大事にしてほしいと思いますが、経験を上手くチームに反映させていきたいです。チームメイトには試合前に緊張してガチガチになる選手もいましたが、『そこで考えてもしょうがない』と、そういう話は去年も一昨年もしました。実際やってみないと分からない面はありますからね」
――J2での戦いも今季で5年目。今年こその期待は高まります。
「毎年、昇格と言い続けて……、このままでは口だけの男になってしまうので(笑)、結果を残したいという思いは本当に強い。ここまでの苦労をなんとか形に残したいです。ただ、その思いは僕だけじゃダメだと思いますし、チーム全員、そしてクラブに関わるみんながより意識を変えなくてはいけない。それが今のジェフに突きつけられている課題だと思うんです。充実した設備があるのに、J2のままでは恥ずかしいですよ。自分たちの力でなんとか現状を変えたいです」
――ご自身としてJ1の舞台で再び力を試したいという気持ちも強いようですね。
「J1でプレーするのは今の僕の夢です。若手に負けているつもりはありませんし、もう一度J1で勝負をしたい気持ちは人より強いと自負しています」
――サポーターもその姿を待ち望んでいると思います。
「皆さんにはこの時期になると、いい意味でも悪い意味でもドキドキさせてしまい、申し訳ないです。ただ僕たちを信じてほしい。選手たちは皆さんの期待に応えようと必死にやっています。全員で一戦必勝の覚悟を持ち、残りの試合に臨みます」
■プロフィール
やまぐち・さとし/ 1978年4月17日生まれ、高知県出身。178センチ・74キロ。佐川SS―佐川中―市原ユース―市原―G大阪―千葉。J1通算448試合・37得点。J2通算110試合・2得点(10月13日時点)。高いリーダーシップを誇る経験豊富な最終ラインの要。的確なポジショニングを武器に相手からボールを奪い、空中戦での強さも見せる。
取材・文:本田健介(週刊サッカーダイジェスト)
インタビュー写真:徳原隆元