【回想コラム】連覇を狙うアジア大会 初優勝を遂げた前回の「2軍」チームが教えるもの

カテゴリ:日本代表

浅田真樹

2014年09月12日

山口の成長が雄弁に物語る「結果」と「実戦経験」の重要性。

大会当時はC大阪で控えに甘んじていた山口も、アジア大会を経てA代表まで上り詰めた。(C) Getty Images

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「アジアを勝ち抜いてロンドン五輪に出場する。そして、本大会でも結果を残していくことを考えた時、今後のスケジュールを見ても勝負のかかった大会を経験できる機会は数少ない。なので、とにかく今大会は勝負のかかった戦いを数多く、それも強い相手とやりたい。国際ゲームを勝つのは厳しく、こういう戦いを勝ち上がっていくのは我々にとってはいい経験になる。一つひとつ勝つことで、選手に自信を持ってもらいたい」
 
 この大会中、関塚はそう話していたが、まさにその期待は現実のものとなり、ひいてはロンドン五輪での「44年ぶりのベスト4進出」にまでつながったと言ってもいい。
 
 この大会で成し遂げられた快挙、すなわち史上初の金メダル獲得を経て、果たして2軍とも揶揄された彼らは、その後どうなったのか。
 
 金メダルメンバーのなかから、安藤駿介、鈴木大輔、山村和也、東、山口、永井の6名がロンドン五輪の登録メンバー入り。うち、鈴木、東、山口の3名は全試合に出場した。
 
 さらに2年後、山口はブラジル・ワールドカップでも全3試合に出場(うち2試合は先発フル出場)し、A代表で主力の一角を担うまでになっていた。
 
「この大会で結果を出して、来季セレッソでレギュラーを掴めば、自然とロンドンも見えてくる」
 
 山口自身がそう話していたことでも分かるように、4年前のアジア大会当時、所属クラブのレギュラーでさえなかったボランチが、である。
 
 韓国・仁川で開かれるアジア大会に臨む陣容も、招集には原則「1クラブ1名」の制限があり、必ずしもベストと呼べるものではない。だが、それがイコール「2年後のベストでない」とは限らない。
 
「選手一人ひとりは力を持っている。やっぱり彼らには実戦が必要だったんだということを再認識させられました」
 
 4年前、関塚はそう語っていたが、今回U-21代表に名を連ねた選手のなかから、「第二の山口」が生まれる可能性も十分にある。
 
 幸いにして、と言うべきか、A代表新監督のハビエル・アギーレは就任会見で「ユース世代の育成にも興味がある」と話し、五輪代表にも関心を示している。
 
「将来性のある選手を呼びたい」
 そう語る新指揮官のお眼鏡にかなう選手がどれだけ出てくるのか。
 
 今回もまた、「2軍」の奮闘に期待している。
 
文:浅田真樹(スポーツライター)
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