【セルジオ越後の天国と地獄】興行優先の初陣メンバーに、前体制の反省は見られない

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年09月04日

愚か者ひとりのために、Jリーグのイメージをダウンさせる必要はなかった。

レナトに対する差別的な挑発行為によって、神奈川ダービーは後味の悪いゲームになってしまった。(C) SOCCER DIGEST

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 またしても残念なことが起きた。8月23 日のJ1・21節のF・マリノス対フロンターレ戦で、マリノスサポーターのひとりが黒人選手のレナトに対してバナナを見せて挑発した。
 
 今年4月、スペインでもビジャレアルのサポーターがバルセロナのダニエウ・アウベスに対してバナナを投げつける事件が起きている。D・アウベスが「大人の対応」を見せたことで大きな話題になったけど、黒人選手に対してバナナやモンキーチャントで挑発することは、世界のサッカーシーンでは人種差別として厳しく罰せられる。
 
 件のマリノスサポーターは、こうした映像を見て、深く考えずに真似したのかもしれないが、なんて愚かなんだろうか。今年4月にはレッズで人種差別の問題が起きたばかり。しかも、自分が応援するマリノスにも黒人選手のラフィーニャがいるというのに……。こういう浅はかな人間は、無期限の入場禁止にされて当然だと思う。
 
 ただ、こういう輩は、残念ながらどこにでもいて、こうした行為をクラブが未然に防ぐのは、正直言って難しい。だから、クラブの責任ではなく、個人の責任として終わらせるべきだったんじゃないかな。
 
 チェアマンが表に出てきて、Jリーグがクラブに500万円の罰金を科したわけだけど、実はこれ、「Jリーグでは差別行為が行なわれました」と声を大にして日本中、いや、世界中に発信したようなものだ。
 
 たったひとりの浅はかな人間の行為によって、Jリーグ全体が計り知れないマイナスのダメージを被る必要はない。クラブがすみやかに対応し、その人物を無期限の入場禁止にしたんだから、それで終わらせたほうがよかった。
 
 今回の事件をきっかけに、今一度みんなが人種差別について向き合う必要はもちろんある。だけど、Jリーグのイメージをわざわざダウンさせるような対応までは必要なかったと僕は思う。
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