【セルジオ越後の天国と地獄】興行優先の初陣メンバーに、前体制の反省は見られない

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年09月04日

経験の少ない若手を抜擢するのは潰してしまうリスクも伴っている。

日本代表の注目度、プレッシャーは尋常ではない。若い才能を潰してしまうリスクも……。(C) SOCCER DIGEST

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 もっとも、このメンバーは本当にアギーレ監督が選んだのだろうか? 日本協会がメンバーの大半――特に欧州組に関しては――を選んだんじゃないのかなって勘ぐりたくもなる顔ぶれだ。
 
 4年前の9月に行なわれたパラグアイ戦とグアテマラ戦は、日本協会が代表メンバーを選び、ザッケローニはスタンドから観戦した。実はそれと似ていて、今回はスタンドではなくベンチから観戦する、という感じなんじゃないかな。
 
 今回のメンバーには坂井、松原、森岡、皆川、武藤と初選出の選手が5人いる。彼らはアギーレ監督の好みなのだろうけど、プロ2年目の坂井は今季たったの5試合、ルーキーの皆川にしても8試合、わずか328分しかプレーしていない。
 
 もちろん、彼らがこの先成長を続け、代表に定着していく可能性は大いにあるし、ポテンシャルを秘めた選手たちでもある。だけど、これまでの実績を考えれば、もう少し慎重に選ぶべきで、この選出はちょっと乱暴すぎやしないかな。活躍次第でこの先、いくらでも選出する機会があるわけだし、注目を浴びすぎて若い芽が潰れてしまうリスクだってあるわけだからね。
 
 欧州組に関してもそうだけど、クラブで活躍していない選手、しっかりとプレーしていない選手を代表に選んでしまうと、代表の重みや価値が著しく低下する。そのことを日本協会は理解すべきだと僕は思う。
 
 そして最後に触れておきたいのは、本田についてだ。この4年間、本田は自ら率先して代表チームの先頭に立って「優勝する」と公言し、良くも悪くもチームメイトとサッカーファン、もっと言えば国民を煽ってきた。それなのに大会後はチームとは行動を別にして、ただひとり帰国しなかった。
 
 煽ってきたことが悪いと言いたいわけではない。あれだけ盛大に送り出してもらい、大会期間中も「批判は終わった後にしてほしい」と言っていたにもかかわらず、逃げたことが問題なんだ。これは本当に情けなく、選手である前にひとりの人間としてみっともない行為だよ。
 
 本田はミックスゾーンを素通りすることが多いようだけど、ワールドカップ後初めて帰国し、公の場に姿を現わす以上、メディアの前に立ち止まり、なぜ、ひとりだけ別行動を取ったのか、サッカーファン、国民に対してしっかりと釈明すべきだ。
 
 再び日本代表としてプレーし、ロシア・ワールドカップを目指す以上、それが筋というものだよ。
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