【セルジオ越後の天国と地獄】興行優先の初陣メンバーに、前体制の反省は見られない

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年09月04日

呼ぶ必要のない欧州組の招集に、知名度重視の姿勢が見える。

長友は開幕戦でスタメン落ち。本田にしてもポジション争いの渦中にある。長旅を強いて、親善試合に招集する必要性はあったのか。(C) SOCCER DIGEST

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※週刊サッカーダイジェスト9.16号(9月2日発売号)より
 
――◆――◆――
 
 アギーレ監督の初陣となるウルグアイ戦、ベネズエラ戦に臨む日本代表のメンバーが発表されたね。
 
 みなさんはどう感じたかな? 僕は、残念な気持ちでいっぱいだよ。この4年間の反省が生かされず、ザッケローニの時と同じように興行優先のメンバーになってしまった。
 
 欧州のリーグはまだ開幕したばかりだ。メンバー発表の時点で本田や長友がプレーするセリエAは開幕すらしていなかった。試合勘はベストとは言えないし、ポジション争いの真っ只中でもある。そんな選手たちを、なぜ、このタイミングで呼ぶ必要があるのか。
 
 それは、スポンサーや放映権を買ってくれたテレビ局のため。そして、観戦チケットを完売させるために他ならない。この4年間、欧州組を毎試合のように呼び戻したため、彼らが疲弊してコンディションを崩したり、クラブのポジション争いで厳しい状況に置かれたりしてしまった。当時のことをしっかり反省したとは到底思えないよ。
 
 この4年間とブラジル・ワールドカップでの結果から、もう代表に招集されるべきではないと思う選手まで選ばれている。こうした状況を見ると、結局、人気重視、知名度重視なんだと思わざるを得ない。ブラジル・ワールドカップの惨敗を検証し、新たな一歩を踏み出すのに相応しいメンバーとは感じられなかったし、強化ではなく「興行」が優先された印象だよ。
 
 また、スポルティングの田中が今回、招集されたけど、彼はこの夏に移籍したばかり。まだなんの結果も出していないわけで、リーグで素晴らしいインパクトを残してから呼んでも遅くない。それに、もし彼がレイソルに所属していたら、このタイミングで呼んでいただろうか。
 
 招集する予定だったという原口にしても同じだよ。なぜ、リーグで結果を残していない選手を招集するのか、僕には理解できない。こうしたことをするから、話題性を重視したと思われたり、欧州組至上主義だと言われたりするんだ。
 
 クラブで活躍している者だけに代表の資格がある――。この当たり前のことが、ザッケローニ時代から、どうもないがしろにされている気がしてならない。
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