名将の陰に名腹心あり! ヴェルディの躍進を支える“もうひとりのスゴ腕”

カテゴリ:Jリーグ

高木聖佳

2018年12月07日

「監督が選手を批判するのを一度も見たことがない」

一枚岩の闘う集団へと進化を遂げ、プレーオフで見事2連勝を飾った東京V。悲願のJ1復帰まであと1勝だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 そこからの展開は早かった。翌日には羽生社長のほうからオファーをもらい、すぐに帰国の準備。1か月後には日本でヴェルディの通訳としての仕事をスタートさせた。

「ロティーナ監督との仕事はやはり新たな発見がたくさんありました。多くは話せませんが、シーズン中は対戦相手に合わせてとても細かい部分で微調整をしていく。少しでもアドバンテージを持って戦うようにするんです。そして、チームマネジメント。厳しい状況のなかで選手にどんな言葉をかけるのか。僕は監督が選手を感情的になって批判するのをただの一度も見たことがない。修正をするときも、『これは誰かを批判するために言っているのではない。個人として、チームとして成長するために伝えている』ということを強調するんです」

 ロティーナ監督の戦術は独特なものがあって、選手への言葉も独特な言い回しをする。その言い回しこそが、ロティーナ監督の言葉に意味を持たせるものなのだという。小寺さんも最初はそれを理解して伝えることに苦労したが、いまは問題なく訳せるようになった。

 
 そしてもうひとつ、小寺さんが驚いたことがある。ロティーナ監督が「どんどん新しい意見を取り入れる」考えの持ち主だったことだ。「自分をはじめ若いコーチングスタッフに戦術的なことを含め、意見を求めてくる。若いひとを信用して仕事をすることは、簡単なようでなかなかできることじゃないと思う」。そのような監督のもとで仕事をしたからこそ、小寺さんはテクニカルアナリストとして、チームにも認められるようになったのだろう。

 ヴェルディに来て早や2年、とても充実した日々だ。「マナトは通訳だけではなく、テクニカルスタッフとしてもチームに貢献してくれている」と度々監督が口にしてくれる言葉に、誇りとやり甲斐を感じている。

 まもなく、クラブは悲願のJ1復帰への大一番を迎える。土曜日のJ1参入プレーオフ・決定戦、ジュビロ磐田戦だ。

「何者でもなかった自分に門戸を開いてくれたクラブ。そして、選手、スタッフ、サポーターすべてからサッカーに対する情熱を感じて、大好きなクラブになった。このクラブの願いのための力になれたらとても幸せです」

 どんどん戦術が細やかになっていく現代サッカーにおいて、その意図を間違いなく把握して選手に伝えていける小寺さんのような通訳の存在は、ますます欠かせないものになっていくだろう。とはいえ“スゴ腕”は、次のステップを見据えている。

「将来はトップリーグの監督を務めたいと考えています。Jリーグ、スペインだけじゃなく、国はどこでもいい。そのために英語もいまマスターしています。できればもう少しロティーナ監督の下で勉強して、その先は指導者に専念したいですね」

 その未来も楽しみにしたい。

取材・文●高木聖佳(フリーアナウンサー)

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