フィリップ・トルシエ氏からのメッセージ! “兼任監督”のメリットとデメリットとは?

カテゴリ:日本代表

木ノ原句望

2018年08月24日

国内選手は年齢を問わずに合宿に招集するのも一案だ

当時、高原(写真左)や稲本らを育てたトルシエ氏。世代間の融合をスムーズに行なった。(C)SOCCER DIGEST

画像を見る

 森保さんはA代表と五輪代表の掛け持ちという重責を担うが、先述した通り、ロシア大会をコーチとして戦い、A代表の選手たちと接点もできた。その経験は今後のチーム作りに役立つだろう。
 
 まず優先すべきは来年1月のアジアカップに向けた強化だ。長谷部(誠)や本田(圭佑)らロシア大会を機に代表引退を表明した選手もいるが、長友(佑都)や酒井宏樹、香川(真司)らを中心に、若手も起用して徐々に世代交代を図っていけばいい。ワールドカップで見せたような戦いをアジアカップでも披露できれば、日本は優勝に近づけるはずだ。
 
 アジアカップを終えた2月以降は、2年後の東京五輪への準備が主軸になる。今回は自国開催で、当然ながら周囲の期待も大きく、結果も求められる。とても大きなミッションで、準備は非常に重要だが、欧州でプレーしている若手には有望なタレントが多い。良い戦力になるはずだ。
 
 私が日本代表の監督を務めていた時は、A代表だけでなくU-19代表からU-23代表までを指導した。2002年の日韓ワールドカップへのチーム作りの一環として、若い世代を引き上げるために、それが効果的な手段だった。
 
 試合や合宿への招集にしても、海外組が中田英寿ぐらいだったので助かった。だが今は当時とは状況がすっかり変わり、A代表の主力は海外組だ。若手にも海外組が増えている。選手招集は森保さんにはむしろ悩みの種だろう。
 
 五輪代表とA代表の強化スケジュールがバッティングするのも懸念材料だ。だが、A代表と五輪代表、両方の選手を、国内組だけでも同時に招集して合同合宿を行なうのは一案だろう。私が指揮した当時も、合同で35人ほど集めた合宿を行ない、双方の選手でチームとしてのやり方を共有した。
 
 兼任監督として森保さんが両方の選手を把握できる点は、当然ながら大きなメリットだ。森保さんだけでなく、コーチングスタッフも兼任で進めても良いのではないか。
 
 私の頃に比べて代表強化の考え方や環境は変わってきたが、それでもスケジュール調整など、日本協会やJリーグ、Jクラブの協力は不可欠だ。2チームのサポート体制を築けば解決できる部分は多いはずだ。全方面からのフォローがA代表と五輪代表を成功に導くことは言うまでもない。

取材・文●木ノ原旬望(スポーツジャーナリスト)

※『サッカーダイジェスト』9月13日号より転載。
【関連記事】
「若者はアジアに行くな!」カメルーン代表監督となったセードルフが独自見解で警鐘を鳴らす
「いつになったら終わるのか…」一向に進まないトッテナムの新スタジアム建設の深刻さを英紙がレポート
Jリーガーの「好きな女性タレント」ランキング2018年版! 石原さとみや新垣結衣を抑えて1位に輝いたのは?
大怪我、禁断の移籍…「しんどい経験」を乗り越えた齋藤学が川崎での初ゴール後に語った想い
さすが美女大国! ロシアW杯で出会った「美しすぎる」「可愛いすぎる」スタッフ!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ