フィリップ・トルシエ氏からのメッセージ! “兼任監督”のメリットとデメリットとは?

カテゴリ:日本代表

木ノ原句望

2018年08月24日

外国人指導者をアドバイザーやテクニカルディレクターとして付けるのはどうか

ロシア・ワールドカップでは、日本をベスト16へ導いた西野監督。トルシエ氏は「アジアカップまで続投してほしかった」と話す。(C)SOCCER DIGEST

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 例えば、日本とフランスの子どもやユース年代を比較すると、日本人はボールを持つとすぐにパスを出す傾向にあるが、フランスではパスを出せと言っても、ボールを手放さない子どもの方が多い。組織を尊重する日本の風習が自然とプレーにも表われているからだ。

 さらにこれはシュート場面にも影響し、日本人はスキルもメンタルも身に付けているのに、ボールを持ちすぎて「今」というタイミングを見失ってしまう。それが決定力不足につながっている。

 異なる文化的背景を持つ外国人指導者ならこのような点を見つけ、指摘できるが、日本育ちの指導者にはなかなか難しい。だから、そこに目を配って欠点を補うには、外国人指導者をアドバイザーやテクニカルディレクターとして付ける。それもA代表だけでなくアンダーカテゴリーの代表にも付けて、日本人選手に染みついている悪癖や細かい要素の修正に取り組むのが効果的だろう。
 
 個人的には、ワールドカップでの日本の戦いを見て、ロシア大会後も西野さんが引き続き代表監督を務めれば良いと思っていた。ワールドカップで掴んだ流れを継続し、やり残したことを次のチャレンジで完遂するべきだと感じたからだ。

 ロシアでは日本はコロンビア戦、セネガル戦、ポーランド戦で素晴らしい戦いを見せた。ベルギー戦も85分までは良かった。だが最後の5分で幼さ、未熟さを露呈してしまった。私は大会において日本は素晴らしいパフォーマンスを見せたベストチームのひとつと捉えているが、一般にはベルギー戦の最後の部分の印象で厳しい評価をする人も少なくない。

 西野さんは準備時間が限られていたなかで、選手とコミュニケーションを図ることでチームに一体感を持たせた。良いやり方だったと思う。ただ、試合では選手のやりたいプレーに対して、チームとして求めるべきプレーがある。選手を尊重した影響は、ベルギー戦の残り5分の場面でマイナスに働いてしまったと感じる。

 ベルギー戦でやり残したことがあった西野さんは、まだミッションを終えていなかった。今回の経験を次のチャレンジで活かして初めて、仕事をやり遂げたと言える。だからアジアカップまで続投し、ワールドカップでの経験を還元したほうが、日本サッカーのためになったと思う。
 
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