「勝てばドイツ人? 負ければ移民だから?」エジルが怒りの告発、そして代表引退を表明

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年07月23日

「スケープゴートにされるのだけは我慢がならなかった」

左からレーブ監督、エジル、グリンデル会長、ギュンドアン、そして代表マネジャーのビアホフ。5月19日にDFB内で持たれたこの話し合いの場では、なんら解決策は見出せなかったという。(C)Getty Images

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 悪影響を及ぼしたという意味で、もっとも失望したエピソードも明かしている。
 
「大会前に僕は地元のゲルゼンキルヘンの小学校を訪問する予定だった。その活動には僕が関わってきた移民の子どもたちの生活や勉強を助けるチャリティー団体やスポンサーも絡んでいたんだけど、彼らがもう僕とは一緒にやれないと言ってきたんだ。メディアが作った風潮を危惧してのものだったのかもしれないけど、あれは本当に辛かった。悔しかった。楽しみにしていてくれた子どもたちもいてくれたはずだから」
 
 ドイツ代表のオフィシャルスポンサーである『メルセデス・ベンツ』社の仕打ちも極端だったという。エジルは他の代表選手とともに同社のテレビCMに出演するなどキャンペーンに参加していたが、突如としてすべてキャンセル。「致命的な状況」と吐き捨てられたのだ。だがその直後、ベンツ社は非認可のソフトウェアを活用したとして約24万台のリコールをドイツ政府から言い渡された。エジルは「一般の多くのひとに危機が及ぶような出来事だ。それよりも僕の撮った一枚の写真のほうが問題だったと言うのだろうか」と皮肉った。

 
 そして最後は「3の3:DFB」とタイトル付けして、連盟への不信感を露にした。怒りの矛先はもっぱらグリンデル会長に向けられる。
 
「写真が拡散して問題になり、僕はヨアヒム・レーブ監督から連絡を受けた。バカンスを切り上げてベルリンに行くんだと。グリンデル会長に会うためにね。僕は正直に自分の考え、ルーツのこと、写真が撮影されるに至った経緯を説明したけど、彼は自分の政治的なポリシーや価値観について語るばかりで、まるで折り合わなかった。だから、取り決めたんだ。いまはワールドカップ前の大事な時期だからフットボールに集中しようと。僕はそれを守った。自分の考えはいっさい口外しなかったし、記者会見にひとつも出なかったのはそのためだ。なのに大会が終わると彼は、エジルはちゃんと説明すべきだとメディアに言い放ったんだ。まるでドイツが負けた責任までものが僕にあるかのようにね。スケープゴートにされるのだけは我慢がならなかった。勝てばドイツ人? 負ければ移民だから? ドイツで税金を払い、ドイツの学校建設に寄付をし、2014年にはドイツのワールドカップ制覇のために力の限り戦った。それでも僕は、社会に受け入れてもらっていない。いまだ“異質なもの”と見なされているんだ」
 
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