快挙に沸く今だからこそ、急がず謙虚に大胆な改革を
西野体制に転じて、日本は多くの現場で最も大切にしてきた武器を手に取り、それが通用することを証明した。フランスやベルギーと比べてしまえば、個の身体能力や爆発力では見劣りする。だが明確な戦略の下でまとまると、時には短所になりがちな同質性は、見事に互いの意図を読み取り連動を始める。またかつてないほどの蓄積した個々の欧州での経験も、この緊急事態で吉と出た。
しかし西野監督の応急措置は大成功したとしても、西野“技術委員長”の仕事ぶり、さらには前回ブラジル大会から4年間の強化を振り返れば、完全な失敗である。長谷部誠主将を軸にベテランの集大成は引き出せたが、「ベスト8まで8年間も待つ必要はない」(西野監督)というほど現状は楽観的ではない。
しかし西野監督の応急措置は大成功したとしても、西野“技術委員長”の仕事ぶり、さらには前回ブラジル大会から4年間の強化を振り返れば、完全な失敗である。長谷部誠主将を軸にベテランの集大成は引き出せたが、「ベスト8まで8年間も待つ必要はない」(西野監督)というほど現状は楽観的ではない。
日本はFIFAランクの60位よりは、はるかに好評を得た。ただし反面、世界の「ベスト16」に入れたという確信はない。日本の進むべき道は仄見えた、しかしスピード、パワー、さらに言えば国内リーグの水準、育成、普及……と、足りない部分は明確に山積み状態にある。快挙に沸く今だからこそ、急がず謙虚に大胆な改革を描く勇断が要る。
文●加部 究(スポーツライター)
文●加部 究(スポーツライター)