[ロシアW杯準々決勝]ブラジル１-２ベルギー／７月６日／カザン・アレーナ（カザン）

【ベルギー｜採点・寸評】
チーム　７
３-４-３システムで試合に臨んだ場合、ウイングバックとセンターバックのスペースをネイマールやウィリアンなど、トップクラスの２列目の選手たちにいいように使われるのは目に見えていた。どのような対策をとるかが注目される一戦で、攻撃の場面ではこれまでと変わらないが、守備の場面のみ４-３-３になる可変システムに変更して試合に臨み、見事ハマった。ボランチの位置からのサイドチェンジが少ないブラジルに対し、必要最低限の「４DF＋３MF」のブロックでスペースを埋めつつ、デ・ブルイネ、アザール、ルカクというカウンターの申し子たちを前線に残すことで、相手に脅威を与え続けた。最終的には攻められ続ける展開になったが、思惑通りに試合を進めての勝利は、素晴らしい結果と言えるだろう。

［GK］
１　ティボー・クルトワ　７
撃たれたシュートの数は27本。そのうち枠内９本。ブラジルの猛攻を耐えきることができたのは、チェルシー所属の守護神が決定的なセービングをしつづけたからだ。抜群の反応で得点を防ぎ、相手が詰めてきている場面でも安全地帯へ弾き続けた。

［DF］
２　トビー・アルデルワイレルド　6.5
ボックス内でのクリア回数はなんと８回。ブラジルの猛攻を受け、難しい状況は何度もあったが、ほぼノーミスで乗り切り、敵のアタックを跳ね返し続けた。

４　ヴァンサン・コンパニ　６
失点のシーンはコウチーニョのパスが絶妙過ぎて、自分で弾きにいくのか、ヴェルトンゲンが対応するのかが曖昧になってしまった。そこのミスを除けば、ほぼパーフェクト。守備においてベテランらしい鋭い読みでボックス内に何度も入ってくるクロスを弾き続けた。

５　ヤン・ヴェルトンゲン　６
守備の際には４バックの左サイドでプレーしたが、不慣れな感じは一切なかった。セーフティーファーストを心掛け、攻め上がるシーンはほぼなく試合を終えたが、こなすべき守備の仕事は難しい対応となった失点シーンを除けば90分間しっかりこなした。

15　トマ・ムニエ　６
対面するのがネイマールとマルセロという、世界でもっとも厄介なウイングとサイドバックだったため、ある程度のミスは仕方がない。何度か対人戦において怪しい対応もあったが、それが失点に直結することなく90分を終えることに成功した。左のヴェルトンゲンとは対照的に高い位置をとることが多かったが、決定的なクロスを供給できなかったところに物足りなさも。
 

［MF］
６　アクセル・ヴィツェル　6.5
そこまでサイドに振ってくるチームではないことはわかっていたとしても、３人という横幅いっぱいをカバーするには少ない人数で、中盤のスペースを埋め続けた。とくに守備的なプレーを得意とする選手ではないが、ハードワークで貢献した。

８　マルアン・フェライニ　６
試合ムラが激しいタイプだが、この日は90分間集中してプレーができた。空中戦や身体を張っての守備でベルギーの勝利に貢献した。失点シーンでもう少しコウチーニョに寄せることができていれば文句なしだったが、比較的ダーティーなプレーも少なく、悪くないパフォーマンスだった。

22　ナセル・シャドリ　6.5（83分IN）
元来２列目の選手だが、状況に応じてウイングバックや、セントラルMFの一員としてプレーする難しい役割を完遂。勝利に貢献した。