「サカイを思い切り褒めてあげたい」英誌・熟練記者がセネガル戦の“ツボ”を紐解く

カテゴリ:日本代表

マイケル・プラストウ

2018年06月25日

「サムライブルーここにあり!」を世界に認知させた

最後まで勝ちにこだわる采配を見せた西野監督。勝負師の感性を研ぎ澄ませる。(C)Getty Images

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 コロンビア戦からさらに進化していたのが、パスの状況判断の早さと、そのスピードの速さ。連携が深まっている証で、いよいよワールドカップで強豪と渡り合えるレベルにまで来たのではないか。
 
 それに付随して、相手の特徴が異なるにも関わらず、西野監督がコロンビア戦と変わらないスターティングメンバーを選んだ点も評価したい。厳しい修羅場をもうひとつ潜り抜けたことで、チームの完成度がまたグッと高まった。本心を言えば、もっとイジりたかったのではないか。そこを堪えられたところに、指揮官の勝負師としての才覚を垣間見る。
 
 続くポーランド戦を引き分ければ、日本のグループリーグ突破が決まる。本大会前、こんなシチュエーションで第3戦を迎えられるなど、誰が想像できただろうか。日本のサポーターは夢見心地だろう。ポーランドは驚くほど脆弱で、コンディションの調整に失敗した感がある。もちろん油断大敵ながら、十二分に期待していいはずだ。

 
 こんなことを言ったら叱られるかもしれないが、もし負けたとしても、日本にとってはすでに素晴らしいワールドカップだ。「サムライブルーここにあり!」「どうだ俺たちのフットボールは!」と、世界に認知させたのである。これに優る達成感、高揚感はない。
 
 日本がポーランドに勝つと信じれば、ラウンド・オブ・16で当たるのはイングランドか、それともベルギーか。どちらかが来ても難解な相手だが、やはり私の母国であるイングランドとの対戦を期待せずにはいられない。もちろん両チームをサポートしてきたが、さすがに今回ばかりは祖国の応援に回るだろう。
 
 そしてその一戦に勝利したほうに、優勝を飾ってもらいたい。冗談半分、本気半分。ワールドカップとフットボールは、なにが起こっても不思議ではない!

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著者プロフィール
マイケル・プラストウ/1959年、英国のサセックス州出身。80年に初来日。91年に英国の老舗サッカー専門誌『ワールドサッカー』の日本担当となり、現在に至る。日本代表やJリーグのみならず、アジアカップやACLも精力的に取材し、アジアを幅広くカバー。常に第一線で活躍してきた名物記者だ。ケンブリッジ大学卒。


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