引退後に電通とスカパー!へ。元Jリーガー・外池大亮はなぜ母校・早稲田大の指揮官に?

カテゴリ:特集

竹中玲央奈

2018年04月19日

選手の輩出だけが大学サッカーの価値ではない

試合後に選手たちと握手を交わす外池監督。選手をサッカーの技能だけで評価せず、広い目で見て価値を見出そうとしている。

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 現役時代からセカンドキャリアについて真剣に考えていた外池は引退後、順風満帆のサラリーマン生活を送っていた。ではなぜ、今回指導の現場に戻ってきたのか? そこには早稲田大学ア式蹴球部の指導方針の転換、いや原点回帰というべき考え方が挙げられるかもしれない。
 
「サッカーの評価が、部員の評価になっていた。でも、僕は、早稲田はそうではないと考えていました。試合に出ていない選手も色が強くて、彼らが頑張っているから試合に出ている選手も頑張る。実際にサッカーで頑張っているという以外でも社会に出てサラリーマンですごく頑張っているとか、起業をしたとか。そういう人たちが多いのが早稲田の強さ。
 
 当然頑張っている選手もいるけど、突き抜けられていない。そこでサッカー以外の評価を作ってあげるということもありかなと。OB会の中でも、今の学生たちがこれだけ多様化しているので、もっといろいろな引き出しを評価しようというか、サッカーだけではないところにも意味があるよ、と(いう話になった)。僕はメディアとか代理店に居たなかで、サッカーの強化はサッカーがうまくなることだけではなく、運営だとか、そういう中にもエッセンスが組み込めるという持論を持っていて、それが本来の早稲田の姿だと思っています。OB会もそういったところ、『早稲田に必要な監督って何?』と考えたなかで、僕みたいな人間に声が掛かったのかなと」
 
 高卒でJリーガーになれなかったプレーヤーの受け皿となって、新たに4年間のチャンスを与えてプロ選手の育成に励むことだけが大学の役割ではない。モラトリアムと言われ、自由に過ごせる大学の4年間という貴重な時間を体育会に属し活動する学生は、試合出場の有無を問わず評価されるべき価値がある。
 
 そして、大学サッカーという舞台は広い目で見て“日本の未来を担う”存在を輩出できる場である。それを信じ、自らの経験を還元して大学サッカーの“価値”を高めるために歩みを始めた外池は、プロサッカー選手の引退後のキャリアの新たな道筋やあり方を示そうとしている。(文中敬称略)
 
取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)
 
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