【現役の眼】元日本代表MF橋本英郎が見た、森岡亮太の「進化と真価」「長所と短所」

カテゴリ:特集

橋本英郎

2018年03月19日

Jリーグにいた頃でもゴールを量産することはできた

今季は前所属のベベレンで7点、アンデルレヒトで3点と合計で10点の大台に乗せ、キャリアハイを更新中。得点への意識改革が躍進につながった。(C)Getty Images

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[5]得点力
 今回の会見でヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、その得点力について言及されていましたね。
 
 海外ではアシストするだけでなく、点を取らないといけないということをしっかり理解し、それを遂行できるようになった。それが大きな成長分だと思います。もともとキックの技術、視野の広さが高かった。当然、キーパーの位置、タイミング、コースを見られるので、Jリーグにいた頃でもゴールを量産することはできたはずです。海外では、外国籍の扱いになります。いわゆる助っ人です。日本に来るトップ下の助っ人はパスばかり求めたりはしません。ゴールしてこそ助っ人なのです。
 
 そのあたりの価値観をクリアにできたからこそ、ポーランドからベルギーへ、そしてベルギーのトップクラブへとステップアップできたのではないでしょうか。
 
 以前、本田圭佑選手も最初に行ったオランダでアシストばかりしていても上のチームから話がまったく来なかった、と話していました。でもそれをきっかけにゴールを追求するようになり、フェンロで爆発的なゴール数を生み出しました。代表で共にプレーした時には、ゴールへの探究心を持ってプレーしているとも言っていましたね。

 
 では次に、短所も挙げていこうと思います。
 
[1]守備意識の高低差が激しい
 球際に強さを持つようになったことで、ディフェンスでもボール奪取ができる機会は増えました。しかし、そのプレーを続けられる時と休憩してしまう時とがハッキリしてしまっています。日本代表戦でも守備の緩慢さを指摘されていましたが、そのすべきタイミングを理解し切れていない部分がまだあると感じます。
 
[2]空中戦での戦い
 基本的に海外のサッカーではヘディングでの争いが多く存在します。レベルが最高峰まで上がるとまた減ると思いますが、どうしても相手との力関係で負けている時には、戦わなければいけなくなります。森岡選手は空中戦から身体を上手く使って足下にボールキープをすることはできますが、ヘディングで激しく闘うのは得意ではありません。
 
 例えば本田選手はトップ下の選手ですが、南アフリカ・ワールドカップではワントップをこなしました。その際は、高さで負けている中でも必死に闘うことで、2列目に並んでいた、松井大輔選手、大久保嘉人選手、岡崎慎司選手の3人が活きたのだと思います。
 
 森岡選手はトップ下のポジションかもしれませんが、体格面では、日本代表の前線で大きな選手の部類に入ると思います。足下の技術だけでなくその点が身につくと、またプレースタイルに幅が生まれるのではないでしょうか。
 
[3]ドリブルで仕掛ける
 この点は、短所として言うべき話ではないと思いますが、彼ならもっとできると感じているので、あえて挙げさせていただきました。ボールキープのドリブル、背後に付かれたマークを剥がし、スルーパスを出すタイミングを窺うドリブルは得意です。しかし、原口元気選手や久保裕也選手のように仕掛けて抜いていくドリブルは、そこまで披露していません。
 
 スピードは決してある選手ではありませんが、本田選手も自分はスピードがある選手ではないことを自覚して、緩急、タイミングを見計らって仕掛けていました。そこは森岡選手もどんどんチャレンジして、相手選手が止めることができない選手になってほしいです。
 
 以上が、僕の感じている彼のプレースタイルです。
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