“なでしこジャパン”はまだ世界に逆転不可能な差をつけられたわけではない。
皮肉なことに、下剋上にあったのは、日本だけではない。ポゼッションスタイルを一定のレベルまで身につけて、日本を破ったアメリカも、ベテランの経験値で勝ち上がる限界に突き当たり、翌年のリオではベスト8で姿を消している。さらにリオで復権したドイツも、女子サッカーが盛んになるに連れて力をつけてきた周辺国に追いつかれた。リオ五輪準優勝のスウェーデンとともに、2017年の女子EUROでは、ベスト8で敗れた。
同大会の4強には、優勝したオランダを筆頭に、デンマーク(※日本がアルガルベカップの第3戦で対戦する)、オーストリアなど、それまで国際大会でほとんどインプレッションを残せていなかったチームが入った。男子サッカーと同じように、勝者のスタイルがあっという間に分析され、王座交代を早めている。
なでしこジャパンも、なでしこリーグ各クラブの協力もあって、代表スケジュールを確保し、積極的に海外遠征を行なっている。合宿では、他競技のトップアスリートからトレーニングメニューを勉強し、またメンタル強化に努めるなど、ライバルたちに劣っている部分の克服にも手を付け始めた。得手な部分を伸ばすか、不得手な部分を克服するか。その方法論はさておき、「現状維持では世界のトップから置いていかれてしまう」という危機感は芽生えている。
「リトルなでしこ」や「ヤングなでしこ」の活躍を見れば分かるように、世界に逆転不可能な差をつけられたわけではない。実際、昨年の女子EUROが開幕する前月に、優勝するオランダを破っていたのが、今回大敗を喫した「なでしこジャパン」だ。目まぐるしい流れの中では、チームのピーキングなど、ちょっとしたことですぐに勢力図が変わる。
大切なのは、出された課題を真摯に受け止め、努力を続けていくこと。仕切り直した第2戦以降、なでしこジャパンの戦いぶりに、改めて注目したい。
文●西森 彰(フリーライター)
同大会の4強には、優勝したオランダを筆頭に、デンマーク(※日本がアルガルベカップの第3戦で対戦する)、オーストリアなど、それまで国際大会でほとんどインプレッションを残せていなかったチームが入った。男子サッカーと同じように、勝者のスタイルがあっという間に分析され、王座交代を早めている。
なでしこジャパンも、なでしこリーグ各クラブの協力もあって、代表スケジュールを確保し、積極的に海外遠征を行なっている。合宿では、他競技のトップアスリートからトレーニングメニューを勉強し、またメンタル強化に努めるなど、ライバルたちに劣っている部分の克服にも手を付け始めた。得手な部分を伸ばすか、不得手な部分を克服するか。その方法論はさておき、「現状維持では世界のトップから置いていかれてしまう」という危機感は芽生えている。
「リトルなでしこ」や「ヤングなでしこ」の活躍を見れば分かるように、世界に逆転不可能な差をつけられたわけではない。実際、昨年の女子EUROが開幕する前月に、優勝するオランダを破っていたのが、今回大敗を喫した「なでしこジャパン」だ。目まぐるしい流れの中では、チームのピーキングなど、ちょっとしたことですぐに勢力図が変わる。
大切なのは、出された課題を真摯に受け止め、努力を続けていくこと。仕切り直した第2戦以降、なでしこジャパンの戦いぶりに、改めて注目したい。
文●西森 彰(フリーライター)