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なでしこも独米も失ったアドバンテージ… 女子サッカーはなぜ群雄割拠の時代となったのか?

カテゴリ:日本代表

西森彰

2018年03月02日

「フィジカルの差を攻守の連動でひっくり返す」という前提が崩れた。

欧州制覇も果たしたオランダ。日本戦ではフィジカル、スピードといった面でまざまざと力の差を見せつけた。(C) Getty Images

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 やや大げさに言えば、世界は日本のスタイルを“模倣した”。平たく言えば、大きく蹴り出すスタイルから、ポゼッションへと舵を切ったのだ。
 
 2007年の中国での女子ワールドカップで優勝したドイツは、決勝前日の公式練習を最後まで公開したが、それは全選手でのシュート練習。それに終始し、肩透かしを食らった。一方、昨秋に来日した元ドイツ代表の監督が指揮するスイスは、試合前日の公式練習で、狭いスペースでの鳥かごやパス交換を行なった。それまでのウィークポイントを克服しようという意志が感じられるものだった。調整程度でも、トレーニング内容にはこれだけの変化がある。
 
 また、日本が世界に向けてプレゼンしたスタイルは「魅力」として受け入れられ、女子サッカーが競技として盛んになった。欧州ではビッククラブが女子チームにも力を入れるようになった。もともと豊富な資金力、練習環境を備えているだけあって、本気を出せば彼我の差は明らかだ。女子チャンピオンズリーグには、世界各国のスター選手が集い、熊谷紗希らが所属するリヨンなどは女子チームの運営費だけでも数億円レベル。選手が集まれば、サッカーのレベルも上がっていく。
 
「フィジカル差を、攻守の連動でひっくり返す」という前提そのものが崩れた。フィジカルに勝る相手が、攻守に連動してくるのだ。しかも、よりよい環境でトレーニングを積んで。「一朝一夕」というわけにはいかなかったが、数年で日本のアドバンテージはなくなった。世界最新のスタイルをプロデュースした日本が、それをコピーした相手に敗れ去る。他のスポーツでも何度も演じられてきた流れが、また繰り返された。
 
 佐々木則夫前監督は、ディフェンディング・チャンピオンとして臨む2015年のカナダ女子ワールドカップで、すでに完成している2011~12年組を再登用。経験値の差で準優勝したが、そこが一時代の黄昏だった。翌春のリオデジャネイロ五輪の出場権を賭けたアジア予選で、敗退を喫した。
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