練習後にすぐに食事、広島ユースに入ると3か月くらいで身体が変わる
岩政 森山さんが率いていた広島ユースからたくさんの選手がプロになって活躍しています。そういう選手たちにも、人と向き合う部分を強調したんですか?
森山 そうですね。戦うとか、100パーセントやり切るとか、本当にベースの部分を口酸っぱく言いました。私が指導者になりたての頃には、「クラブユースは上手いが勝てない」「上手いけど戦えない」という風潮がありました。今もそう言われる時はありますが、昔は今どころではなかった。それを変えたいと思っていました。上手い選手が戦えたら、走れたら、もっと良い選手になる。そういう気持ちを持っていましたね。
岩政 広島の育成が成功して、そこからクラブユース勢も戦うとか走るという部分にフォーカスしていった印象があります。先駆けでしたよね。
森山 選手を寮生活させて、トータルで育成していくやり方も広島が先駆けでした。生活の面も厳しく見るし、グラウンドでも見るし、学校との連係も図る。それを鹿島や京都などのいろんなクラブが見に来てくれて、全国に浸透していった。
ただ、浸透していくうちに、ビッグクラブのほうに人材が行ってしまって、なかなか広島に来てくれない時代がしばらく続いて……。そこでも踏ん張って結果を出して、また人が来てくれるようになった、というのも経験しています。
森山 そうですね。戦うとか、100パーセントやり切るとか、本当にベースの部分を口酸っぱく言いました。私が指導者になりたての頃には、「クラブユースは上手いが勝てない」「上手いけど戦えない」という風潮がありました。今もそう言われる時はありますが、昔は今どころではなかった。それを変えたいと思っていました。上手い選手が戦えたら、走れたら、もっと良い選手になる。そういう気持ちを持っていましたね。
岩政 広島の育成が成功して、そこからクラブユース勢も戦うとか走るという部分にフォーカスしていった印象があります。先駆けでしたよね。
森山 選手を寮生活させて、トータルで育成していくやり方も広島が先駆けでした。生活の面も厳しく見るし、グラウンドでも見るし、学校との連係も図る。それを鹿島や京都などのいろんなクラブが見に来てくれて、全国に浸透していった。
ただ、浸透していくうちに、ビッグクラブのほうに人材が行ってしまって、なかなか広島に来てくれない時代がしばらく続いて……。そこでも踏ん張って結果を出して、また人が来てくれるようになった、というのも経験しています。
岩政 寮生活ですべての面で育成していくと、選手たちはどう変わっていきますか?
森山 吉田高校に入学するんですが、学区内から受験させるために中3の3学期から吉田中学に編入するんです。そこからの3か月くらいで、まず身体が大きくなります。
これは食事の面が大きいですね。他のチームは練習に1~2時間かけて家に帰るような環境なので、なかなかベストなタイミングで食事がとれない。でも、広島は練習が終わったらすぐに食事がとれます。それも食べきれないくらい量が多い。
私も一緒に食事するんですが、選手の手前「食べられない」とも言えないんですよ。だから、細い選手に「俺も食いたいけど、お前がでかくなるのが先だな」と言って、ご飯の半分くらいをあげたりしていました(笑)。
今は練習が終わったら簡単な食事が出るチームが増えてきていますよね。そこはだいぶ、日本全国で改善されてきたと思います。
《第2回「『2点差が一番危ない』は日本だけ!勝負強さを鍛える”森山流”の練習法に岩政も感嘆」は6日18時公開予定》
【著者プロフィール】
森山佳郎(もりやま・よしろう)/1967年11月9日、熊本県出身。現役時代は運動量豊富なサイドバックとして広島、横浜Fなどでプレー。引退後、広島ユースのコーチ、監督を歴任し、強豪チームに育て上げた。13年に日本協会入りし、現在はU-16日本代表の監督を務める。
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。2010年の南アフリカW杯メンバーにも選出された。現在は、東京ユナイテッドFCで選手兼コーチを務める。
森山 吉田高校に入学するんですが、学区内から受験させるために中3の3学期から吉田中学に編入するんです。そこからの3か月くらいで、まず身体が大きくなります。
これは食事の面が大きいですね。他のチームは練習に1~2時間かけて家に帰るような環境なので、なかなかベストなタイミングで食事がとれない。でも、広島は練習が終わったらすぐに食事がとれます。それも食べきれないくらい量が多い。
私も一緒に食事するんですが、選手の手前「食べられない」とも言えないんですよ。だから、細い選手に「俺も食いたいけど、お前がでかくなるのが先だな」と言って、ご飯の半分くらいをあげたりしていました(笑)。
今は練習が終わったら簡単な食事が出るチームが増えてきていますよね。そこはだいぶ、日本全国で改善されてきたと思います。
《第2回「『2点差が一番危ない』は日本だけ!勝負強さを鍛える”森山流”の練習法に岩政も感嘆」は6日18時公開予定》
【著者プロフィール】
森山佳郎(もりやま・よしろう)/1967年11月9日、熊本県出身。現役時代は運動量豊富なサイドバックとして広島、横浜Fなどでプレー。引退後、広島ユースのコーチ、監督を歴任し、強豪チームに育て上げた。13年に日本協会入りし、現在はU-16日本代表の監督を務める。
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。2010年の南アフリカW杯メンバーにも選出された。現在は、東京ユナイテッドFCで選手兼コーチを務める。