海外組は不在だが、最大の目標はアジア初制覇。
開催決定の遅れなどから、アジアカップはナショナルチームに強制招集権を与えるインターナショナルマッチデーから外れた。日本は海外組のコアメンバー6名を招集できず、大儀見優季(チェルシー)のように期間限定の参加選手もいる。影響を受けているのは日本だけでなく、チェルシーで大儀見とチームメートのチ・ソヨン(韓国)なども、グループリーグだけの参加が濃厚だ。
海外組の人数が多いぶん、日本が割を食っているが、大陸チャンピオン決定戦のグレードを保つうえでも、AFC(アジア・サッカー連盟)が改善すべき点は多い。日本サッカー協会は粘り強くAFCへ働きかけ、チームの登録人数を23人から25人とするレギュレーション変更を引き出した。
5月8日に対戦したニュージーランドも欧米で評価が高まり、今回来日したメンバーにも海外組が13人、先発メンバーでは9人を占め、ピッチ上にいる海外組の人数では、日本を上回った。しかし、国外でプレーする選手の増加で高いスキルが身についた一方で、ベストメンバーの招集は難しくなっている。
海外組の人数が多いぶん、日本が割を食っているが、大陸チャンピオン決定戦のグレードを保つうえでも、AFC(アジア・サッカー連盟)が改善すべき点は多い。日本サッカー協会は粘り強くAFCへ働きかけ、チームの登録人数を23人から25人とするレギュレーション変更を引き出した。
5月8日に対戦したニュージーランドも欧米で評価が高まり、今回来日したメンバーにも海外組が13人、先発メンバーでは9人を占め、ピッチ上にいる海外組の人数では、日本を上回った。しかし、国外でプレーする選手の増加で高いスキルが身についた一方で、ベストメンバーの招集は難しくなっている。
はたして海外組の増加は、プラスとマイナスのどちらの面が大きいのだろうか。試合後の記者会見でトニー・レディングス監督に尋ねると、こんな答が返ってきた。
「今日のゲームは、まさにそのプラスとマイナスの両方が出た試合。6、7週間離れていた選手たちが、ほんの3、4日の調整だけではチームを作れない。前半はマイナス面が強く出ていた。後半に入ると連係が噛み合うようになって、プラスの部分、つまり海外で身につけた個々のスキルの高さが生きてきたと思う。世界王者にまずまずの戦いができた」
これは、海外組を主力とする、現在のなでしこジャパンにも共通の課題だ。アジアカップに限れば代表合宿初参加の選手も多く、互いの特徴を確認できていない面もあるはず。
短い日数でコンビネーションを合わせる難しさは、1年前の日本戦も同じメンバーで戦っているニュージーランド以上にあるだろう。アジアカップ制覇に向けてチームがどれだけ早くまとまれるか、時間との競争にもなってくる。
「現在のメンバーはもっとできるはずだし、初戦に向けてさらに準備が必要。少しの時間でも話し合いをして、お互いの考えをしっかり共有したい。それをしなければ、このユニホームを着ている資格はないし、それが自分たちの仕事です」(宮間)
勝利の美酒から遠ざかっているなでしこジャパンにとって、アジアカップでの最大の目標はワールドカップの出場権ではなく、同大会での初優勝だ。条件は厳しいが、ベトナムに赴く25人の選手全員に「自分たちの力で、胸のワールドカップのエンブレムに込められたプライドを取り戻す」という姿勢があれば、それも可能であると信じたい。
取材・文:西森 彰(フリーライター)
アジアカップ招集メンバーの写真はこちら
「今日のゲームは、まさにそのプラスとマイナスの両方が出た試合。6、7週間離れていた選手たちが、ほんの3、4日の調整だけではチームを作れない。前半はマイナス面が強く出ていた。後半に入ると連係が噛み合うようになって、プラスの部分、つまり海外で身につけた個々のスキルの高さが生きてきたと思う。世界王者にまずまずの戦いができた」
これは、海外組を主力とする、現在のなでしこジャパンにも共通の課題だ。アジアカップに限れば代表合宿初参加の選手も多く、互いの特徴を確認できていない面もあるはず。
短い日数でコンビネーションを合わせる難しさは、1年前の日本戦も同じメンバーで戦っているニュージーランド以上にあるだろう。アジアカップ制覇に向けてチームがどれだけ早くまとまれるか、時間との競争にもなってくる。
「現在のメンバーはもっとできるはずだし、初戦に向けてさらに準備が必要。少しの時間でも話し合いをして、お互いの考えをしっかり共有したい。それをしなければ、このユニホームを着ている資格はないし、それが自分たちの仕事です」(宮間)
勝利の美酒から遠ざかっているなでしこジャパンにとって、アジアカップでの最大の目標はワールドカップの出場権ではなく、同大会での初優勝だ。条件は厳しいが、ベトナムに赴く25人の選手全員に「自分たちの力で、胸のワールドカップのエンブレムに込められたプライドを取り戻す」という姿勢があれば、それも可能であると信じたい。
取材・文:西森 彰(フリーライター)
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