【現地発】マスコミも批判を休止? イタリアが「らしくない挙国一致」でW杯を目指す

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2017年10月13日

指揮官も思わず本音が口をこぼれる。

アルバニア戦はカンドレーバの決勝点で勝利したものの、内容的には褒められたものではなかった。(C)Getty Images

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 試合は、アルバニアが受けに回って重心を下げ、最も危険な中央のゾーンの密度を高めてきたため、イタリアは後方でのスローなポゼッションでチームを押し上げる。しかし、そこから先の最後の30メートルでほとんど攻め手がないという状況に陥ってしまう。
 
 アルバニアの監督は、前任のジャンニ・デ・ビアージと同じイタリア人のクリスティアン・パヌッチ。選手もセリエA勢が約半分を占めることもあり、イタリアの戦い方は十分承知とばかりに、手堅い堅守速攻に徹してきた。
 
 そうなると唯一の攻め手はやはりサイドということになるが、それもカウンター気味に縦に抜け出してクロスを挙げるチャンスを得た数回以外は、フィニッシュへの形は作れないまま。74分に挙げた決勝ゴールは、左サイドを攻め上がったスピナッツォーラからの何でもないクロスの弾道をアルバニアのCBが読み間違え、ファーサイドに詰めたカンドレーバがフリーで押し込む棚ぼた的に手に入れたものだった。
 
 このゴールで何とかアルバニアを下したイタリアは勝点3を上乗せし、体裁を保ってグループ2位で予選を終えたものの、試合内容そのものは本大会、そしてそれ以前にプレーオフへの不安を煽るに十分なものだった。
 
 ヴェントゥーラ監督自身もそれをよく分かっているということは、試合終了後に思わず口にした次のようなコメントからも明らかだった。
 
「イタリアはワールドカップで優勝を争えるチームか? これから短い間に新しいトッティが生まれるとは思わない。イタリアはワールドカップを争えるチームではない。いつかそうなるために体制を立て直しているところだ」
 
 事実、スペインに完敗を喫してプレーオフ行きを余儀なくされて以降、イタリアは指揮官からチームまで、自らに対する確信を失い困惑に陥っているように見える。度重なるシステム変更とそれに対する内部の不満、監督を入れず選手だけでミーティングを行って内部の結束を確認するという事態、さらには監督解任まで想定したFIGC上層部の慌てぶりなど、マスコミを通じて漏れ伝わってくる内部のリーク情報(本人たちは否定するが「火のないところに煙は立たない」と言う)は、プレーオフに向けて自信よりもむしろ不安をかき立てるものだ。
 
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