鹿島はなぜ”常勝”でいられるのか?【石井正忠×岩政大樹#4】

カテゴリ:Jリーグ

岩政大樹

2017年09月22日

選手との距離が離れて行った時は「やっぱりちょっと寂しかった」。

「監督と呼ばずに石井さんでいいよ」と選手に言っていたが、次第に距離感は離れて行ったという。(C)SOCCER DIGEST

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岩政 今、Jリーグではコーチから内部昇格して監督になる流れが増えてきましたが、メリットがあると感じますか?
 
石井 あると思います。
 
岩政 一方で難しさもありませんか? 今までコーチの立場で接していて、次の日から突然監督になるわけです。もちろん、継続性というメリットはありますが、選手との関係は再構築になりますよね。
 
石井 私は自分の立場が変わることで、選手の反応も自然に変わってくるのではないかと思っていました。「監督と呼ばずに石井さんでいいよ」と話していても、やっぱり選手からしたら監督であることに変わりはない。実際にどんどん距離が離れていくのが分かりました。
 
岩政 やっぱり、そうなんですね。
 
石井 自然にそうなるとは思っていたんですが、やっぱりその通りになったかと。ちょっと寂しかったですね(笑)。
 
岩政 そうですよね。寂しい気持ちは分かります。もし、他のクラブの監督になったら鹿島と対戦することもあります。どこをポイントに鹿島を攻略しますか?
 
石井 考え方としては、レアル・マドリーと対戦する鹿島のような形ですね。あの時はもっと自分たちからボールを奪いに行ってもよかったと後悔している部分もあるので、どんどんボールを奪いに行って、王者・鹿島にプレッシャーをかけたいです。
 
岩政 積極的にプレッシャーをかけてくる相手に、意外と鹿島はてこずりますよね。逆に相手が引くと(小笠原)満男さんが好きなことをし始めるから、鹿島のペースになる。当時は引いてくる相手を見て、「満男さんに良い形で入れさせないほうがいいのにな」と思ったりもしていました。
 
石井 そういうのを勝手に妄想するのも、今は楽しいですね。
 
<<第5回『ジーコが鹿島に残したもの。クラブ創成期には衝撃的な光景が』は23日13時公開予定>>
 
【プロフィール】
石井正忠(いしい・まさただ)/1967年2月1日、千葉県出身。91年に住友金属(現・鹿島)に移籍加入し、97年まで在籍。98年に福岡に移籍し、そのまま現役を引退した。99年からは指導者として鹿島に復帰。以降はコーチ、監督とステップアップし、17年5月末に解任という形でクラブを去った。鹿島在籍期間は、現役時代を含めてのべ26年。まさに常勝軍団を知り尽くした男だ。
 
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカW杯メンバーに選出された。2014年にはタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。
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