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【黄金世代】第3回・小笠原満男「ジーコジャパンの真相と、セリエA挑戦の深層」(♯5)

カテゴリ:特集

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年07月10日

すべて一回ぶち壊して、勝負してみたいってのがあった。

傍から見ればイタリアでの10か月間は苦難の連続に移ったが、小笠原に言わせれば「だからこそ濃厚だった」。守備に対する価値観が一変したという。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 1年後、ジーコジャパンはドイツに降り立った。結果は、グループリーグを1分け2敗で終える惨敗。小笠原はクロアチア戦(第2戦)とブラジル戦(第3戦)で先発を飾った。
 
「いろいろ言われたけど、俺はすごくいいチームだったと思うし、もっと勝てるチームだった。海外でプレーする選手が多くて経験値もあんなに高かったのに、なんで勝てなかったんだろうって。なんかバラバラだったみたいな意見もあったらしいけど、単純に結果として負けただけで、実際はすごくまとまってたんだよね。
 
 よく言われた海外組と国内組、世代間がどうとか、まるでなかった。ツネ(宮本)さんとヒデさんを中心に、なにかあればよく話し合ったし。ものすごくいいチームだったと思う」

 
 ワールドカップが終わってほどなく、小笠原は自身初の欧州挑戦に乗り出した。セリエA、メッシーナでの10か月間だ。
 
 とかくこの挑戦を、失敗だったと見る向きが少なくない。それもそうだろう。リーグ戦には6試合(1得点)しか出場できず、コッパ・イタリアなどを合わせても、公式戦で10試合しかプレーしていない。ベンチ外だったゲームがほとんどだ。
 
 だが、それでも、ミツオにとってはかけがえのない充実した日々だった。
 
「まあ、よそから見たらほぼ活躍できずに終わった1シーズンかもしれないけど、俺の中では本当に濃かった。鹿島でずっと試合に出させてもらって、代表にも常に呼んでもらってたところで、なんとなくマンネリ化じゃないけど、そういうのをすべて一回ぶち壊して勝負してみたいってのがあった。
 
 行ってみたら、実際そうなのよ。おまえは誰だってところから始まって、ただの日本人じゃねえかって。なにもかもを一から証明しなきゃいけない。プレーもそうだし、言葉もそうだし、いろんなものを一から築き上げていく作業が全部面白かった。試合に出れなかったのはすごく悔しい。だからこそ出たい、絶対に使ってもらいたいと必死に取り組めたのが、本当に新鮮に感じられた。
 
 それこそ清雲(栄純)さんが監督の時のユース代表や、鹿島に入ったばかりの頃と同じ感覚。それを感じられたのが、なによりの財産になった」

 
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