【浦和】監督交代の必要はない。しかし過去にない危機の打開へ、変化が求められる

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2017年06月30日

3つの打開策を考えてみる。

やはりCFでこそ生きる興梠。2トップ採用も一案か?写真:サッカーダイジェスト写真部

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 監督を交代するには、大きな代償を伴う。しかも6年間積み重ねてきた特殊なスタイルをシーズン途中でリセットするのは、マイナス面のほうが多いように感じる。何より監督のみに責任をなすりつけて悪循環を断ち切ろうとしてきたクラブの悪しき歴史に、逆行するだけではないか。

 それより優先すべき作業がありそうだ。例えば選手から「原点」に戻るというコメントが聞かれたが、本当にそうすべきなのか? そもそも原点とはどこを指すのか? ハーフコートゲームは捨てるのか? そういった共有すべきビジョンは明確にして、整理することが先決ではないだろうか。

 もちろん、ペトロヴィッチ監督に、今、戦い方の決断が求められているのは事実。貫くべき信念とこの窮地を脱するための柔軟性。そのバランスの取れた何かしらの対策が求められる。

 では具体的(やや現実離れもしているかもしれないが……)な打開策について考えてみたい。
 
 今、チームの最大の問題点として、失点が止まらないこと、そして閉塞感が漂っていること、その2点が挙げられる。それでも指揮官はGKと3バック、ボランチの顔触れは変わらない。

 もちろん指揮官はキャンプ中から新戦力の融合を試みてきたが、独特なスタイルとあって、要求に応えるレベルに合う選手がなかなか現われてこなかったという。確固たる信頼関係。言い換えれば、盤石、そして無風区――。そのジレンマを打開するにはどうすればいいか。
 
▽阿部や青木拓矢のストッパー起用?
 
 ストッパーは槙野と森脇が不動のまま5年目を迎える。しかし今季、そのふたりが守備で後手を踏むプレーが増えている。福岡からレンタル移籍で加入した田村友は戦術にフィットしきれず、森脇の欠場中は宇賀神友弥が代役を務めていた。その宇賀神は現在負傷により別メニュー調整中。
 
 阿部や青木を実戦で起用してみるのは、ひとつの荒療法になるのではないだろうか。 青木はストッパー起用もあり得るとして14年に獲得している。ストッパーのみならずボランチの競争を促せるのはメリットだ。 
 
▽2トップ+トップ下にして、守備の安定を優先させる?
 
 守備再建を優先させるため、前線を「トップ下(柏木)+2トップ(R・シルバorズラタン&興梠or武藤)」にすれば、青木&阿部のボランチなど後方にひとり多くあてられるため、守備の安定を図れそうだ。しかしペトロヴィッチ監督の”美しく勝つ”理想から遠のいてしまうか?
 
▽7月に解禁される移籍マーケットで、DFを補強する?
 
 今欧州の移籍市場が開いている。ただ外国籍選手は過去にイリッチやスピラノビッチらがフィットできず退団しており、クラブも積極的とは言えない。例えば……ボランチやSBなどもこなせて、スプリント力と運動量も備え、引退を発表した元ドイツ代表のフィリップ・ラームのようなタイプであれば理想的だが……。
 
 または、ヒムナスティックとの契約が残り1年となり移籍も検討していると言われる鈴木大輔、インテル退団濃厚と噂される長友佑都に白羽の矢を立てるのはどうだろうか。鈴木は1対1の強さを最終ラインにもたらせるし、長友はウイングバック、ストッパーにも対応できる、まさに今欲するタレント。可能性は低そうだが、ミシャスタイルのもとでのプレーを一度見てみたい選手たちでもある。
 
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