【ミラン検証】超大型投資も「財布」は大丈夫? 中国市場の売上は楽観的すぎる…

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年06月23日

中国人会長はそもそも借金をしてミランを買っている…。

ヨンホン・リー会長(中央)はそもそも借金をしてミランを買収している。ファッソーネCEO(右)に秘策はあるのか? (C)Getty Images

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 また、もうひとつの「頼みの綱」だと考えられているUEFAからの放映権料収入(CL出場の分配金)は、たとえ来シーズン4位以内に入ってCL出場権を獲得したとしても、ミランの金庫に入ってくるのは18-19シーズンからで、しかも多く見積もっても5000万ユーロ(約60億円)が上限だ。
 
 これらの客観的な情報から推測する限り、UEFAがミランの提出したこの収支計画を「根拠薄弱」と判断して却下したとしても、まったく不思議はないように見える。
 
 こうして見ると、ミランの今夏の派手なカネ遣いは、あまりにも楽観的で裏付けの少ない収入計画だけを頼りにした、「極めて危うい」ものであると言わざるをえない。
 
 もちろんファッソーネCEOは、この「投資」がどれだけハイリスクなものか、誰よりもよく分かっているはずだ。それでもあえてそれを行なっているのは、何らかの確信を持っているからだろう。
 
 そもそもヨンホン・リー会長は、4月のクラブ買収の際に、アメリカのヘッジファンド『エリオット』から3億ユーロ(約360億円)という巨額の借金をしており、2018年9月までに10%の利子をつけて全額返済できない場合は、担保としてミランそのものをエリオットに差し出さなければならない。
 
 ここから先は筆者の推測に過ぎないが、おそらくファッソーネCEOは、そうなった時の「プランB」をすでに懐に持っているのではないか。あまりにも不透明なクロージングの経緯に加え、このあまりに楽観的で実現性の低い収支計画(UEFAはそう判断している)を重ね合わせて考えると、その「プランB」こそが本来の「プランA」だったとしても、まったく不思議はないとすら思えてくる。
 
 それがどんなものなのかは、現時点ではまったく推測の手がかりすらもないが……。
 
文:片野道郎
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