済州・Uホームページでの反省の言葉は「遺憾」のひと言だけだった。
また、AFCがどのような判断を下すにせよ、済州・Uが前途多難な道を歩み始めたことは間違いない。
騒動から1週間後の6月6日にFAカップで水原三星と対戦した際も、韓国メディアは「(済州は)雰囲気が悪い。勝ってムードを変えたいが、それも簡単ではなさそうというのが現実だ」(『OSEN』)などと報じられており、乱闘騒ぎによってチームのイメージは極度に落ちているという。
フェアプレー賞を受賞するほどのクリーンなチームであっただけに、このイメージダウンは致命的とも言えるが、実際、済州・Uの対応も不十分であるように思える。
公式ホームページには「ファンの皆様へ」と題した謝罪文が掲載されたものの、その内容は「浦和の不適切な行動に対して積極的に対応していく」といったもので、反省の言葉は「遺憾」のひと言だけだった。
済州・Uの関係者は「フェアプレーを最後まで貫けなかったのは明らかな失態だ。特に(ひじ打ちを食らわせた)ペク・トンギュはチームと浦和に対して申し訳なく思っている。阿部選手には機会があれば直接謝罪したいと言っていた」と話したが、上述のクォン・ハンジンやチョ・ソンファン監督の浦和に責任を擦り付けるようなコメントを見ると、その反省の弁も付け焼刃のように見えるというのが韓国サッカーファンの本音だろう。
いずれにしても暴行劇の余波は今なお収まらず、韓国のメディア関係者やサッカーファンの中には、猛烈な羞恥心に苛まされている者が少なくない。ほかならぬ筆者もそのひとりだ。槙野を追い回すシーンを思い出すだけで、猛烈に恥ずかしく、虚しさと憤りがこみ上げてくる。
当事者にしかわからない事情や神経戦があったとしても、済州・Uはピッチで暴力を振るい、醜態をさらしたのだ。それは決して許されてはならない。
済州・UとKリーグは、今回の事態を重く受け止め、猛省すべきだ。
文:慎 武宏(スポーツライター)
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。
騒動から1週間後の6月6日にFAカップで水原三星と対戦した際も、韓国メディアは「(済州は)雰囲気が悪い。勝ってムードを変えたいが、それも簡単ではなさそうというのが現実だ」(『OSEN』)などと報じられており、乱闘騒ぎによってチームのイメージは極度に落ちているという。
フェアプレー賞を受賞するほどのクリーンなチームであっただけに、このイメージダウンは致命的とも言えるが、実際、済州・Uの対応も不十分であるように思える。
公式ホームページには「ファンの皆様へ」と題した謝罪文が掲載されたものの、その内容は「浦和の不適切な行動に対して積極的に対応していく」といったもので、反省の言葉は「遺憾」のひと言だけだった。
済州・Uの関係者は「フェアプレーを最後まで貫けなかったのは明らかな失態だ。特に(ひじ打ちを食らわせた)ペク・トンギュはチームと浦和に対して申し訳なく思っている。阿部選手には機会があれば直接謝罪したいと言っていた」と話したが、上述のクォン・ハンジンやチョ・ソンファン監督の浦和に責任を擦り付けるようなコメントを見ると、その反省の弁も付け焼刃のように見えるというのが韓国サッカーファンの本音だろう。
いずれにしても暴行劇の余波は今なお収まらず、韓国のメディア関係者やサッカーファンの中には、猛烈な羞恥心に苛まされている者が少なくない。ほかならぬ筆者もそのひとりだ。槙野を追い回すシーンを思い出すだけで、猛烈に恥ずかしく、虚しさと憤りがこみ上げてくる。
当事者にしかわからない事情や神経戦があったとしても、済州・Uはピッチで暴力を振るい、醜態をさらしたのだ。それは決して許されてはならない。
済州・UとKリーグは、今回の事態を重く受け止め、猛省すべきだ。
文:慎 武宏(スポーツライター)
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。