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ACL暴行事件の真相~フェアプレー賞の済州が蛮行に及んだ舞台裏と、羞恥心に苛まれる韓国メディアとファンの本音とは

カテゴリ:Jリーグ

慎武宏

2017年06月06日

日本に対して対抗心を持つファンたちですらも、済州・Uの蛮行を問題視している。

済州・Uのクォン・ハンジンは、槙野(5番)が挑発行為を行なったと主張した。(C)Getty Images

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 さらにレッドカードはゼロで、『2016 Kリーグ・アワード』ではクラシック・フェアプレー賞を受賞している。受賞時には済州・Uの関係者が「ファウルを減らして警告を抑えれば受賞できると(チームに)伝えていた」と誇らしげに語っていた。フェアプレー精神は、済州・Uがチーム全体で共有していた“プライド”でもあったはずだった。
 
 それがなぜACLではできなかったのか。今回の件についてKリーグのとあるクラブ関係者にも話を聞いたが、そのクラブ関係者があきれ気味で語っていた言葉が意味深だ。
 
「もととも済州は地方の地味なクラブに過ぎなかったが、クラブ史上初のラウンド・オブ16進出でメディアの関心が集まり、親会社からの期待も高まった。一説によると、親会社のSKからかなり発破をかけられたと聞くが、それが悪いほうに作用した典型だろう。過信し舞い上がり、感情をコントロールする術さえも失った。敗北を受け入れず、何かと過剰に反応する姿は、経験不足の一言に尽きるだろう」
 
 ただ、前代未聞の蛮行を“経験不足”のひと言で許すわけにはいかないし、韓国のサッカーファンたちはもっと厳しい。韓国のサッカーファンたちが集うネット掲示板には、「いくら日本の選手が先に挑発してきたとしても韓国の選手は恥ずかしいことをしたよ」「試合は0-3だけどマナーは0-30だ」との書き込みが並んでいる。
 
 なかには「韓国の顔に泥を塗ってきた」「サッカー選手じゃなくてヤクザ集団だな」などのコメントもあった。韓国贔屓で日本に対して何かと対抗心を持つサッカーファンたちですらも、済州・Uの蛮行を問題視しているのだ。
 
 気になるのは済州・Uへのペナルティだ。浦和はすでにアジアサッカー連盟(AFC)に意見書を提出したが、済州・Uも騒動に関する調査・分析を終えており、資料をマッチコミッショナーに提出する予定だという。

 韓国プロサッカー連盟関係者は、「アジアサッカー連盟(AFC)が賞罰を下すときは、マッチコミッショナーの報告書と関連映像だけを参考にする。どんな事件が起きても、一方の当事者の話だけが影響を与えることはない」と説明したが、済州・Uの選手が暴力を振るった事実は誰の目にも明らかで、何らかのペナルティが課される可能性は高いだろう。
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