C・ロナウドがニアサイドで完全なフリーに…。
ところが、後半は立ち上がりからマドリーが主導権を握り、ユーベは完全に受け身に立たされてしまう。
ジネディーヌ・ジダン監督はイスコを左に開いた位置に張らせ、マルセロとの連携でスピードとアジリティーに欠ける相手の右SBバルザーリを狙ってそこから活路を開こうと試みた。これが奏功してマドリーは左サイドを起点にして再三チャンスを作り出す。ユーベは4-4-2の3ラインが自陣深くに押し込められる時間が長くなり、ボールを奪っても自陣から持ち出せずにパス2~3本で奪われてしまうという悪循環に追い込まれた。
61分に決まったカゼミーロの勝ち越しゴールは、30メートル近い距離からこぼれ球を一か八かで打ったミドルシュートがサミ・ケディラに当たってコースが変わり、ゴール左隅に飛び込むという不運な失点だった。しかし、そこに至るまでに再三危険な場面を許しており、失点は時間の問題だったと言わざるをえない。
いつものユーベと違っていたのは、この2点目を喫した時点ですでに緊張の糸が切れ、敗北を受け入れてしまったように見えたこと。その3分後に喫した決定的な3点目は、C・ロナウドがノーマークでニアサイドに走り込むのを許している。これは普段ならばありえないことだ。
この後半の崩れ方を見る限り、ユーベは1-1で終えた前半の時点ですでに、フィジカルとメンタルの両面で、持てるエネルギーの大部分を消費してしまっていたのかもしれない。互角に戦っているように見えた前半だが、マドリーにはまだ十分な余裕があったのに対して、ユーベはもう一杯いっぱいだったのだ。
いずれにしても、90分を通して見ればマドリーの完勝だった。絶対的な個のクオリティーや選手層で上回っていたというだけでなく、CL決勝という大舞台での経験値(成功体験も含む)の差が出たということなのだろう。
文:片野道郎
【CL決勝PHOTO】R・マドリー、CL史上初の連覇達成! ブッフォンはまたも…
ジネディーヌ・ジダン監督はイスコを左に開いた位置に張らせ、マルセロとの連携でスピードとアジリティーに欠ける相手の右SBバルザーリを狙ってそこから活路を開こうと試みた。これが奏功してマドリーは左サイドを起点にして再三チャンスを作り出す。ユーベは4-4-2の3ラインが自陣深くに押し込められる時間が長くなり、ボールを奪っても自陣から持ち出せずにパス2~3本で奪われてしまうという悪循環に追い込まれた。
61分に決まったカゼミーロの勝ち越しゴールは、30メートル近い距離からこぼれ球を一か八かで打ったミドルシュートがサミ・ケディラに当たってコースが変わり、ゴール左隅に飛び込むという不運な失点だった。しかし、そこに至るまでに再三危険な場面を許しており、失点は時間の問題だったと言わざるをえない。
いつものユーベと違っていたのは、この2点目を喫した時点ですでに緊張の糸が切れ、敗北を受け入れてしまったように見えたこと。その3分後に喫した決定的な3点目は、C・ロナウドがノーマークでニアサイドに走り込むのを許している。これは普段ならばありえないことだ。
この後半の崩れ方を見る限り、ユーベは1-1で終えた前半の時点ですでに、フィジカルとメンタルの両面で、持てるエネルギーの大部分を消費してしまっていたのかもしれない。互角に戦っているように見えた前半だが、マドリーにはまだ十分な余裕があったのに対して、ユーベはもう一杯いっぱいだったのだ。
いずれにしても、90分を通して見ればマドリーの完勝だった。絶対的な個のクオリティーや選手層で上回っていたというだけでなく、CL決勝という大舞台での経験値(成功体験も含む)の差が出たということなのだろう。
文:片野道郎
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