ギラギラした30歳のルーキーは、前に向かうのか、それとも…。
離脱している間にはスタンドから試合を見る機会も多く、後輩たちのプレーに刺激を受けた。
「駒井(善成)とか関根(貴大)とかのプレーを見ていたら、自分が仕掛けるとか、結果を残そうとしか考えていないように感じたんですよ。だから、あいつらは、ベンチでミシャ(ペトロヴィッチ監督)が控えの選手を呼んでいたりして、交代かなと思った瞬間に、点を取ったり、アシストしたりする。それってきっと、自分のことを最優先に考えている証拠ですよね」
30歳になり、いつしか角が取れ、丸くなっている自分に気がついた。
「自分軸でプレーすることが、結果的にチームのためであり、人のためになる。自分自身が強気の選択をして、気持ち良くプレーできた時は、ゴールにもつながるし、チームも勝っている。サポーターの喜んでいる顔を見ることもできる。
それは自分勝手とは違うんです。怪我をしてからも、多くのサポーターから、『また“キレサキ”見せてください』とか『アグレッシブな仕掛けが見たいです』って言われて、嬉しかったんですよ。求められていること、自分がしたいことって、そういうことだなと思えたんです」
決して独りよがりなプレーをしようというわけではない。チームの輪を乱そうと思っているわけでもない。プレーのベースがチームという軸から自分という軸に変わるだけだ。
それだけで、瞬時におけるプレーの選択が違ってくる。
「トラップひとつとっても、ボールを置く位置が変わりますよね。常にゴールに向かってチャレンジしていく。チャンスがあったら逃さない準備をする。今は、それを頭に入れながらプレーしています。
まだ、練習試合も含めて、数回しか11対11はやっていないですけど、動きの連動性や動き出すタイミングは、身体が覚えていると思った。頭で自分がイメージしていたことと、自分の身体もリンクしているって感じられた」
朧気ながら夏だと思っていた復帰の時期は、本人も驚くほど順調に近づいてきている。
「いつ(試合のメンバーに)呼ばれてもいいと思えるところまで来ています」
春の陽射しが降り注ぐ、大原サッカー場で再会した梅崎の表情を見れば、その自信は嫌でも伝わってくる。
「うちは凄いメンバーだし、凄い個性を持っている選手が多いことも分かっている。そんな人たちと争えて、チャレンジできることもまた嬉しいですよね。マジで(チームメイトに)勝ちたいって思ってます。ギラギラしてますよ。まさに30歳のルーキーですよね(笑)」
3月11日に頬をつたったのは、悲しさや辛さから流れた涙ではなく、これから挑む未来への決意である。浦和の背番号7がピッチに戻ってくる日は近い。
「僕のファーストタッチに注目してください」
別れ際、彼はそう言った。前に向かうのか、それとも……その選択が楽しみで仕方ない。
取材・文:原田大輔(SCエディトリアル)
「駒井(善成)とか関根(貴大)とかのプレーを見ていたら、自分が仕掛けるとか、結果を残そうとしか考えていないように感じたんですよ。だから、あいつらは、ベンチでミシャ(ペトロヴィッチ監督)が控えの選手を呼んでいたりして、交代かなと思った瞬間に、点を取ったり、アシストしたりする。それってきっと、自分のことを最優先に考えている証拠ですよね」
30歳になり、いつしか角が取れ、丸くなっている自分に気がついた。
「自分軸でプレーすることが、結果的にチームのためであり、人のためになる。自分自身が強気の選択をして、気持ち良くプレーできた時は、ゴールにもつながるし、チームも勝っている。サポーターの喜んでいる顔を見ることもできる。
それは自分勝手とは違うんです。怪我をしてからも、多くのサポーターから、『また“キレサキ”見せてください』とか『アグレッシブな仕掛けが見たいです』って言われて、嬉しかったんですよ。求められていること、自分がしたいことって、そういうことだなと思えたんです」
決して独りよがりなプレーをしようというわけではない。チームの輪を乱そうと思っているわけでもない。プレーのベースがチームという軸から自分という軸に変わるだけだ。
それだけで、瞬時におけるプレーの選択が違ってくる。
「トラップひとつとっても、ボールを置く位置が変わりますよね。常にゴールに向かってチャレンジしていく。チャンスがあったら逃さない準備をする。今は、それを頭に入れながらプレーしています。
まだ、練習試合も含めて、数回しか11対11はやっていないですけど、動きの連動性や動き出すタイミングは、身体が覚えていると思った。頭で自分がイメージしていたことと、自分の身体もリンクしているって感じられた」
朧気ながら夏だと思っていた復帰の時期は、本人も驚くほど順調に近づいてきている。
「いつ(試合のメンバーに)呼ばれてもいいと思えるところまで来ています」
春の陽射しが降り注ぐ、大原サッカー場で再会した梅崎の表情を見れば、その自信は嫌でも伝わってくる。
「うちは凄いメンバーだし、凄い個性を持っている選手が多いことも分かっている。そんな人たちと争えて、チャレンジできることもまた嬉しいですよね。マジで(チームメイトに)勝ちたいって思ってます。ギラギラしてますよ。まさに30歳のルーキーですよね(笑)」
3月11日に頬をつたったのは、悲しさや辛さから流れた涙ではなく、これから挑む未来への決意である。浦和の背番号7がピッチに戻ってくる日は近い。
「僕のファーストタッチに注目してください」
別れ際、彼はそう言った。前に向かうのか、それとも……その選択が楽しみで仕方ない。
取材・文:原田大輔(SCエディトリアル)