【仙台】さらば、クラブ史上最高のストライカー。ウイルソンは最後まで顔を上げていた

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年11月05日

「最後に顔を上げて退団することができる」

セレモニーではサプライズのボールプレゼントのほか、胴上げも。誰からも愛されたことが分かる一幕だった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 ロムー氏は言った。「痛みは短い時間で消える。栄光は永遠だ」
 
 仙台を愛したブラジル人ストライカーがいた。彼は東日本大震災の後に、杜の都に現われた。東北の復興に人一倍尽力した。そして、5年間で162試合に出場し、51ものゴールを生み出した。
 
(J1通算128試合・40得点、ナビスコカップ通算20試合・7得点、天皇杯通算8試合・3得点、ACL通算6試合・1得点)。
 
 その名はウイルソン。今季で仙台から去る。その痛みは決して小さくない。だが、きっと薄れ、消えていくのだろう。それでも……。
 
「あの震災で大切な人を亡くした人も多い。家や、大切な物を失った人も多い。そういう人たちに、改めてお悔やみを申し上げたい。もし僕のプレーで勇気を与えられたのなら、こんなに幸せなことはない。
 
 仙台を去るのは残念だ。神様にも、プレーするチャンスをくれたクラブにも、家族のように良くしてくれた選手たちにも感謝したい。サポーターに対しては、いろいろな想いがある。多くのメッセージをもらった。心から感謝している。
 
 このファミリーが成長し続けるように願っている。何度でも言うけど、本当に最高な5年間だった。自分の仕事は果たせたんじゃないかな。だからこそ、最後に顔を上げて退団することができる」
 
 クラブ史上最高のストライカーがいた記憶は色褪せない。2位となった記録は消えない。きっと、「栄光は永遠だ」。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

10月27日発売号の特集は「注目株30人の去就予測」。果たして、この冬に動くのは誰なのか? またクラブダイジェストは浦和レッズです。

画像を見る

【関連記事】
泣くことすらできない病… 森﨑浩司の凄絶なサッカー人生に恩師ミシャはどう寄り添ったのか?
森﨑浩司の引退に元チームメイトの李漢宰も涙。“戦友”の壮絶なサッカー人生に馳せる想いとは?
森﨑浩司が兄・和幸に送った最大の賛辞――「お前には全然追いつけなかった。昔も今も最高の選手は…」|引退セレモニー全文
大久保も感謝する風間八宏の教え。プロ選手にも目から鱗だった「フリーの定義」とは?
【セルジオ越後】“5大会ぶり”に惑わされてはいけない。今のU-19代表に、俊輔や小野、香川はいるの?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ